「智則」超軟水で島根県の酒米を美酒に変える蔵

今回は、島根県安来市で1743(寛保3)年創業の吉田酒造です。戦国時代、尼子氏の居城「月山富田城」のお膝元にあるということで、レギュラー酒は「月山」です。江戸時代広瀬藩の歴代藩主がこの辺りで最高の水と言われた名水「お茶の水井戸」を復元した「島根県名水百選」を仕込み水として使っていますが、硬度0.3という超軟水です。ここまでの軟水で仕込んでいる蔵は珍しいと思います。

その吉田酒造の吉田智則社長の名を冠したのが限定流通品の「智則」です。

「智則 純米吟醸 おりがらみ 生原酒」国産酒造好適米100%使用とありますが、佐香錦のようです。55%精米のおりがらみ、香り華やか、ガス感も残っていてフルーティな味わい。後味はスッキリと最高の出来栄えですね。

佐香錦(さかにしき)は島根県の酒米で、『出雲国風土記』で酒の神が佐香(酒の古い言い方)に集まったという記述があるため酒造り発祥の地とされている出雲の佐香神社にちなんで命名されました。安来市は鳥取県との境にありますが、広瀬の超軟水を使って作られた米を使用しています。山田錦の栽培には適していないそうで佐香錦が誕生したわけですが、山田錦でなくても美味しければそれで充分ですね。

フォローお願いします。