「いづみ橋」海老名市近辺産米を使って醸す「栽培醸造蔵」

今回は、神奈川県海老名市で1857(安政4)年創業の泉橋酒造です。海老名市を中心に作っている「山田錦」「雄町」「亀の尾」「神力」「楽風舞」という酒米を使って日本酒を醸すドメーヌ蔵ですが、日本語で表したいということで「栽培醸造蔵」というネーミングを作り、登録商標しています。

その神奈川県産山田錦は全国で20番目の生産量で、山田錦の正式な生産地として認められているということです。

泉橋酒造では酒蔵見学もありますが、すぐに満席になってしまって伺うことができないので、いつもの店で「いづみ橋の会」が行われるのをこれ幸いと参加してきました。

まず、「とんぼスパークリング」からスタートですが、火入れされていますので、開栓するときに慌てることがありません。しかしながら、しっかり発泡しているので冷やさなくても呑めるスパークリング日本酒となっています。喉ごしさわやかで、すぐに無くなってしまいました(笑) ラベルは4色ありますが、すべて同じ内容ということです。

次に海老名市産山田錦を使った「特選 純米大吟醸 いづみ橋」は40%精米で甘味はあまりなく、キレキレな味わいです。食中酒を心がけているということで、「いづみ橋」の酒は全般的に辛口です。山田錦はもちろん兵庫県産が有名ですが、他の地域で作られても安定した味わいをみせてくれるのがすごいです。やはり「酒米の王様」です。

さらに「秋とんぼ 雄町」自社田栽培の雄町100%使用で65%精米です。こちらも雄町の力強さはありますが、甘味はあまりないスッキリ雄町です。これも食事の邪魔をしない美味しさです。稲穂がハート型になっていて、とんぼもカップルになっている秋ならではのデザインです。

そして泉橋酒造がある「海老名耕地」の名を冠した「いづみ橋 恵」です。海老名市産山田錦 100%使用で80%精米という低精米酒です。それだけに辛口とは言っても旨味があります。お燗にするとより米の味が感じられ、落ち着いて食事ができる感じです。

「恵」シリーズには赤ラベルと青ラベルもあり、同じ海老名市産山田錦を使って醸しています。赤ラベルは65%精米の原酒、青ラベルは扁平精米58%の純米酒です。扁平精米でバランスが取れている青ラベルのほうがキレがありますね。

また、神奈川県の酒米「楽風舞」を使った「秋とんぼ」シリーズです。55%精米の純米吟醸で香りが少しあります。味わいはやはり辛口に仕上がっています。

泉橋酒造のすべてを呑み切ったわけではありませんが、辛口ながら旨味を感じ、目指すところがハッキリしている造りだと思います。最強の食中酒のひとつに挙げられますね。

 

フォローお願いします。