「仙禽 立春朝搾り」ガス感と酸と旨味でさすがの美味しさ

今回は、ちょっと遅れましたが、日本名門酒会が主催している「立春朝搾り」です。基本は予約販売となっているのですが、7日金曜の会社帰りに東京駅のはせがわ酒店で「仙禽」の朝搾りを見つけてしまいました。一升瓶しかなかったのですが、「これは買い」だということでためらいなく購入しました。

「立春朝搾り」は、2月4日の立春の朝に搾りますが、立春は旧暦で正月に当たり、節分で豆をまくのは鬼を退散させて清らかに新年を迎えるためということです。かつては、寒造りした酒を立春に神社に奉納してお祓いをしてもらい、それを近隣の人たちと呑んで一年の無事を願うというようなことだったようですが、新年を祝う酒をその朝に搾り、その日のうちに消費者に提供するというのは日本名門酒会が平成10年から始めたそうです。

文字にすると簡単に感じますが、立春の朝搾るために、そこに味のピークを持っていかないといけないので、相当な手間と計算が必要になってきますね。

ということで「令和初の立春朝搾り」、令和二年庚子二月四日「仙禽 純米吟醸 生原酒」です。国産米使用で60%精米とありますが、仙禽だけにドメーヌ・さくらの山田錦(麹米50%、掛米60%)となっています。家に帰ってさっそく開栓すると「ポン!」と心地よい音がして、透明に澄んだ酒が登場します。ラムネのようないい香りがして、口に含むとガス感と酸が広がり、スーッと消えていきます。二口目は少し口の中で味わい、爽やかな旨味とほんの少し苦みがあり、やはりスーッと消えていきました。搾りたてならではの美味しさが味わえます。

昨年は「新政」の朝搾りで、いつもの新政とは少し違う味わいだったのですが、この「仙禽」はいつもの仙禽らしく美味しいです。なにかあるような気がして東京駅で下車したのですが、アタリでしたね。本当の搾りたてはなかなか味わえないので、こういう試みは大歓迎です。ですが、手間がかかるのか、昨年より参加蔵が減っているのが残念です。チャレンジする蔵元が増えることと、もちろん「仙禽」にはまた来年も期待したいです。

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