「廣戸川 純米にごり生酒」にごりのイメージを変えるドライ味

今回は、福島県岩瀬郡天栄村で1892(明治25)年創業の松崎酒造「廣戸川 純米にごり生酒」です。

松崎酒造について

天栄村は東北新幹線の新白河と郡山のちょうど中間にあって、東西に長い村です。その間を釈迦堂川(広戸川)が流れていることで、この「廣戸川」という名が付けられました。もしかしたら「釈迦堂」という酒名だったかもしれません。その釈迦堂川流域にある「桑名邸遺跡」は縄文時代中期を中心とした集落遺跡で、竪穴住居跡37、土坑511基が見つかっています。当然、縄文式土器や石器も見つかっていて、それほど古くから人々が暮らしていた地域ということです。

そんな歴史ある土地で現在、廣戸川を醸す6代目蔵元杜氏・松崎祐行氏は2007年に大学卒業後、実家の蔵に戻り、福島県清酒アカデミー職業能力開発校で酒造りを学んでいました。そんな最中、2011年の東日本大震災で、長年松崎家とともに蔵を守ってきた杜氏が病に倒れ、祐行氏が酒造りを担うことになりました。そこで醸されたのが「廣戸川」です。地元、天栄村産の酒米「夢の香」をとことん使い、純米、特別純米、純米吟醸から純米大吟醸とさまざまなレベルに挑戦してドメーヌ化を進めています。

「廣戸川 純米にごり生酒」

福島県産夢の香100%使用で60%精米です。強めのガス感があり、まったりした甘味はない甘酸っぱい味わいの中にほのかな苦味があります。キレ味がよく濁りなのにスッキリ、どちらかというとドライな味わいで、呑みやすく美味しいです。

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