「石鎚」ANAファーストクラスにも選ばれる愛媛県の酒

今回は、愛媛県西条市で1920(大正9)年創業の石鎚酒造です。メイン銘柄はもちろん「石鎚」。「壽㐂心」「伊予賀儀屋」と四国の最高峰「石鎚山」系の伏流水を使用している三羽ガラス(勝手に命名)の一角です。2019年3月のANAファーストクラス搭載酒に「石鎚 純米吟醸 山田錦50」が選ばれていましたね。

この周辺に酒蔵が集中しているのは、銘水とともに米どころでもあるというのがありますね。愛媛県の酒米「松山三井」が多く栽培されている地でもあります。その松山三井を使った酒がご紹介する「石鎚 純米吟醸 緑ラベル 槽搾り」です。兵庫県産山田錦を21%使用で50%精米、愛媛県産松山三井を79%使用で60%精米です。酵母は自家培養酵母KA-1となっています。KA-1ということは吟醸香が立つ熊本酵母でしょうか。長期低温発酵で、ゆっくりと昔ながらの槽(ふね)で搾った逸品です。

松山三井の硬さを山田錦でほぐしているようないい香りと酸味です。甘味はあまりありません。食中酒と銘打っていますので、後味もスッキリです。ちなみに、こちらはかつてANAのビジネスクラスで搭載されていたようです。

なかなか巡り合う機会がなかったのですが、ようやく呑むことができました。石鎚山系の三羽ガラスはどれも食中酒を志向しているので、スッキリ飲みやすい味わいです。松山三井も独特な味わいですし、梅錦や山丹正宗とは異なる流れの日本酒道を、このまま突き進んでいただきたいですね。

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