「梅乃宿」新しい日本酒を模索している蔵
今回は「日本清酒発祥之地」の碑が建っている菩提山正暦寺がある奈良県の奈良市ではなく、大阪寄りの葛城市で1893(明治26)年創業、梅乃宿酒造「梅乃宿」です。葛城山系の伏流水を使用して日本酒の銘柄的には「梅乃宿」「山香」「風香」などを醸しています。
2002年にアメリカから始まり、現在では香港、台湾、中国、オーストラリア、シンガポール、ヨーロッパ諸国、さらにはブラジルやアラブ首長国連邦まで22か国に輸出をしているそうです。さらにアメリカの一風堂(ラーメンチェーンの)には後述するゆずのリキュールが置いてあるとか。
ということで、呑んだのは「梅乃宿 純米吟醸 辛」山田錦とアケボノを使用。55%精米でかなり辛口で、久しぶりにこんなドライな日本酒を呑みました。刺身がメインの居酒屋だったのですが、口の中でねばっている魚の脂がスッと消えていきますので、とてもよかったのですが驚きましたね。ちなみに山田錦のフルーティな感じはありません。
そして、こちらは2009年から発売されている「あらごしみかん」です。梅乃宿酒造では、2007年から果物を使った日本酒ベースのリキュール「あらごし」シリーズを発売していて、「梅酒」から始まって「ゆず」「もも」「みかん」「りんご」「レモン」を造っています。実際呑んでみるとまさに100%みかんジュースのような味わい。つぶつぶも入っていてお酒とは思えません。お酒の匂いが苦手なかたにはいいと思いますし、海外の人にも受けると思います。
五代目蔵元は女性で、吉田佳代さん。女性ならではの感覚で既成概念にとらわれずに蔵をリードし、「新しい日本酒」を日々模索しているそうです。「あらごし」シリーズもそうですが、さらなるチャレンジに期待したいですね。