「磐城壽 純米生原酒 生もと仕込」山形県と福島県で酒造りする酒蔵

今回は福島県双葉郡浪江町で天保年間(1831-1845)に創業、現在は山形県長井市と「道の駅なみえ」でお酒を醸している鈴木酒造店「磐城壽 純米生原酒 生もと仕込」です。

鈴木酒造店について

浪江町という地名でもわかりますが、酒蔵のあった場所のすぐわきの堤防を挟んだ向こう側が海という立地だったため、2011年の東日本大震災による津波で全建屋が流失、原発の警戒区域となって休業を余儀なくされました。その後、山形県長井市にあった東洋酒造の廃業にともなって全株式を取得、鈴木酒造店長井蔵として日本酒醸造を再開しました。そして、「いつかは浪江で」という強い想いがかない、2020年8月1日にオープンした「道の駅なみえ」内に酒蔵を作り、日本酒造りを再開しました。

「磐城壽」という名前は、鈴木酒造店がもともと廻船問屋だったところに、にごり酒の製造許可を得て漁師の酒を醸していたところから、おめでたい名前ということで名付けられました。

「磐城壽 純米生原酒 生もと仕込」

福島県産五百万石100%使用で65%精米です。29BYから試験的に行ってきたこの蔵の生酛仕込は、自家酵母A-6株が合っていたのだと思いますが、徐々に増えているようです。この銘柄も昨年まで山廃で仕込んでいたものを今期から生酛で仕込んでいて、限定で出されたためシール貼りとなっている純米生原酒です。

香りはそれほど立っていませんが、旨味のなかに酸味があり、ワインでいうフルボディな味わいです。

「磐城壽」自体がわりと味わいの強い感じの銘柄なので、生酛造りが合っていますね。今後は山形県と福島県両方で酒造りを行っていくのだと思いますが、それぞれのいいところ取りで美味しいお酒を造り続けてほしいです。

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