「山間」クボタよりヤンマー!?

ずいぶん前の話になりますが、大学2年も終わりのころ、新潟から来ていた同級生の下宿に泊まりにいったときのことです。酒を飲むことになって、彼が出してきたのが「越の寒梅」の二級酒でした。当時は特級、一級、二級という区分がなされていて、二級は主に酒蔵の地元で飲まれていました。

しかしながら、その当時の日本酒は呑むにはかなり遠い存在で、「越後の三梅」というのはなんとなく聞いたことがありましたが、実際に呑むのは一級、二級問わず初めてでした。酒臭いし悪酔いするしで日本酒にいいイメージを持っていなかったので、どうかと思いましたが、その旨いこと。「目からウロコ」とはこのときのことです。酒臭くない。甘くない。後を引かない。なんていう酒は呑んだことがありませんでした。その後、「越の寒梅」「峰の白梅」「雪中梅」の三梅が幻の日本酒とされていることを知ったわけです。とくに飲ませてもらった「越の寒梅」の二級酒は本当に手に入らなかったようです。

この第一次ブームのときは、その他にも「〆張鶴」や「八海山」なども有名になりました。

これが「幻」の最初ですかね。それからというもの日本酒ばかり・・・・・・というわけにもいかず、お金もないので村さ来やペンギンズバーのサワーばかりを飲んでいましたが、日本酒の原体験はこれでしたし、この第1次ブームが「新潟県の酒は端麗辛口」というイメージを刷り込んだことは間違いありません。

それからしばらくたって「磯自慢」「黒龍」の第2次日本酒ブームが起こり、「十四代」「久保田」がお金持ちに呑まれるようになりました。出ましたね「久保田」。このときのブームに新潟県の酒で乗っていたのは「久保田」だけかもしれません。「上善如水」についてはあえて触れません。

新潟県の酒にも旨口があった

今は第3次日本酒ブームだと思いますが、日本酒全体の消費量は落ち続けているので、前の2回のブームとは若干趣が異なっているかもしれません。私も2次、3次とブームに乗っているわけですが、新潟県の酒は「端麗辛口」だからと敬遠気味でした。

そんななか、通っている店で出してくれたのが「山間」です。これはひとつのカルチャーショックでしたね。フルーティで濃厚で旨い。ホントかウソか知りませんが、店主が教えてくれた名前の秘密「クボタに勝つにはヤンマーしかない」と「山間」にしたということが胸を打ちました。

いまだにプレミアがついているのか高くて買えない「久保田」の萬壽以上に対し、リーズナブルな「山間」。おまけにさらに安い地元酒の「越の白鳥」も旨いです。

お金がないときに、なじみの酒屋に行って迷ったときは「越の白鳥」を購入することが多いです。

「越の白鳥」という名前は、現在の会社のルーツとなる大正11年創業の亀屋酒造を含めて4つの酒蔵が合併した昭和38年に新潟第一酒造が設立されたときに、越後の「越」に阿賀野市にある瓢湖が「白鳥の湖」として有名だったことから、公募で最も多く来たことで決めた名前だそうです。

写真は「越の白鳥 純米酒 辛口」「越の白鳥 純米 別撰」。「山間」も人気で「幻」気味ですが、「越の白鳥」もなかなかのものですので、新潟県の日本酒にネガティブなイメージをもっている方はぜひお試しを。

 

 

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