「吾有事」山形県の歴史ある蔵で若手が挑戦する酒

今回は、山形県鶴岡市で1724(亨保9)年創業の奥羽自慢株式会社です。もちろん主力銘柄は「奥羽自慢」なのですが、もともとは佐藤仁左衛門酒造場が醸していました。2010年、その蔵元が病気で酒造りがままならなくなっていたところに手を差し伸べたのが、鶴岡市の隣の酒田市で全量純米大吟醸「楯野川」を醸す楯の川酒造です。

2012年から酒造りを再開し「奥羽自慢」を醸してきましたが、2017年から26歳の阿部龍弥氏を抜擢し、新しい酒「吾有事」の醸造を開始しました。営業責任者、蔵人も若手で固めて、新しい銘柄を一体となって造っています。

「吾有事」とは、曹洞宗の開祖、道元の言葉で、自分という存在と時間が一体になること。酒造りにおいて、経過する時間や自分の存在を忘れて没頭する、という気概を込めて名付けられた銘柄だということです。

写真は「吾有事 純米吟醸 中取り生」山形県産米100%使用の55%精米。楯野川もワイングラスで呑むようなきれいな感じのお酒ですが、こちらも同様に香りもあってスッキリした甘味があります。

歴史のある蔵で定番と言える銘柄があるところに新しい銘柄で勝負していくのは大変だと思いますが、若手がチャレンジできる土壌があることはすばらしいことです。がんばっていただきたいと思います。

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