「W」悲劇ではなく未来を目指す酒
今回は岐阜県飛騨市で1870年創業、もともと飛騨の旧家だった渡辺家が酒造りを始めた渡辺酒造店です。飛騨市は高山に囲まれて温度差が大きく、飛騨山系から流れる荒城川水系の伏流水(中硬水)を仕込み水として使用していて、レギュラー酒は「蓬莱」。仙人が住むと云われる不老長寿の桃源郷のことだそうです。
その渡辺酒造店が醸したのが「W」で、渡辺酒造店、世界、笑いの頭文字で「W」としたそうです。HPには掲載されていないので、詳細がわからないのが残念です。
写真は「W 純米 強力 無ろ過生原酒」。兵庫県多可産強力100%使用、48%精米です。酒米「強力」は鳥取県でのみ栽培されていて、背が高く穂が大きいために栽培が難しい種類です。幻の酒米となっていましたが、鳥取県の酒蔵が復活を試み、鳥取大学にあった原種をもとに栽培して徐々に増えてきたそうです。これを使用した理由は定かではありませんが、世界に向けた味が出せるとふんだのでしょう。味わいはスッキリ旨口系でした。
他にも山田錦、愛山、亀の尾、穀良都、越の雫、吟風、雄町などで醸されています。Worldに向けた日本代表米ということなんですかね。他の酒米も呑んでみたいものです。