「純青 愛山 生酛純米吟醸」愛山が地元蔵で醸された酒
今回は、兵庫県加西市の富久錦株式会社「純青 愛山 生酛純米吟醸」の無濾過生です。兵庫県でしか栽培されていない「愛山」が日本全国の蔵元に使われるようになって、修行の後、故郷の酒蔵に帰ってきたという感じですね。
ご存知の通り「愛山」は「愛知県三河錦」と「船木雄町」を交配させた「愛舟117」と「山田錦」と「雄町」を交配させた「山雄」を交配させたもので、頭文字を採っていったら「愛山」になったというものです。もともと剣菱酒造の契約農家が作っていましたが、阪神淡路大震災で剣菱酒造が被災してしまい、その復旧のために「十四代」の高木酒造が田んぼを買い取り、全国の有望な蔵に提供しています。
ということで、「純青 愛山 生酛純米吟醸」兵庫県加西市産愛山使用で60%精米です。富久錦酒造でも毎年タンク1本のみの仕込みということで貴重な銘柄ですね。愛山らしい甘い果実のような香り、特徴のある甘味と後からくる軽い苦みが美味しいです。また生酛造りならではの旨味が後押しするという感じです。
加西市という特A米の産地にあって、全量加西市産米を使用するという贅沢の極みと言える蔵元ですが、だからこそ挑戦を続けており、好感がもてます。期待大です。