「田中六五」福岡県産山田錦で醸す柔らかい酒
今回は、福岡県糸島市で1855(安政2)年創業の白糸酒造です。糸島と言っても島ではなく、福岡と唐津を結ぶ筑肥線のちょうど中間の玄界灘沿いにあります。このあたりは福岡県産山田錦の一大産地で、全国でも、山田錦生産量で五本の指に入るほどだそうです。
その糸島産山田錦のみで、「白糸」と「田中六五」を醸しているのがこの酒蔵です。歴史はありますが、2016年に全面改装した蔵で最新の技術を使って山田錦を醸しています。
ということで「田中六五」です。名前はこれだけで、白糸産山田錦100%使用で65%精米です。裏ラベルには「山田錦の田んぼの中から生まれた酒」とありますが、白糸酒造の八代目蔵元の田中克典氏が中心となって醸していますので、両方の意味があります。「六五」はもちろん65%精米の純米酒ということですね。
香りは控えめで、やさしい味わいです。とても柔らかい舌ざわりで、旨味を感じます。食事が進んでしまうタイプですね。
福岡県の日本酒のなかでも「やさしさ」という意味では一番ではないでしょうか。心をやさしくしたいときに味わいたい一本です。