「不動 雄町 純米吟醸生原酒」千葉のやさしい雄町酒

今回は、千葉県香取郡で1689(元禄2)年創業の鍋店株式会社です。もともとは幕府から許可を得た鉄類製造を主にしていたということで「鍋」という名前が付いていて、さらに佐倉藩から酒造免許も下りて1689年に酒造りを始めたそうです。創業当時は成田山の近くで「蓬莱山」という酒を醸していたので、本社は今も成田市本町にあります。

1900(明治32年)に現在の香取郡に神崎工場を設立して「香神」という銘柄を、その10年後には兵庫県にも工場を設立、今も続く「仁勇」という銘柄を醸していました。そして、第2次世界大戦が激化する昭和17年に香取郡の神崎蔵に集約して現在に至ります。主力銘柄は2004年から醸し始めた「不動」と「仁勇」です。

「不動 雄町 純米吟醸生原酒」岡山産雄町100%使用で55%精米です。備前雄町を使った不動は特別な「紫」をまとっています。口に含むと、雄町の力強さはなく、やわらかい味わいとなっています。香り、甘味、旨味ともやわらかく、これまでとは異なる雄町の味わいです。低温発酵、ヤブタで上槽後、6か月間の低温熟成がこの味わいを醸し出しているのでしょう。

雄町好きとしては、もう少しパンチがあってもいいのですが、これはこれで、呑んでほっこりする雄町な感じでいいと思います。

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