「高砂 松喰鶴 純米大吟醸」酒蔵初の木桶仕込

今回は、三重県名張市で1818年創業の木屋正酒造「高砂 松喰鶴 純米大吟醸」です。今ではいわずもがなの「而今」が超有名ですが、もともと「高砂」と「鷹一正宗」を醸し、伊賀地方を中心に飲まれていました。その後、現在の6代目蔵元・大西唯克さんが就任して2005年から「而今」を始めました。

今は「而今」をメインに、ちょっとチャレンジ的な感じで「高砂」を使っているような気がします。前回の「高砂」は生酛造り(時間がかかる製法)、この「高砂」は木桶仕込(手入れが大変)となっているからですね。他の酒蔵でも木桶仕込を復活させているところも多いようですが、木桶職人は減少の一途で、みそやしょうゆが仕込める大桶を作れるのは堺の藤井製桶所だけだそうですから、酒仕込み用の大桶もこちらのものかもしれません。

「高砂 松喰鶴 純米大吟醸」

山田錦100%使用で45%精米です。木桶仕込みだと杉の香りがぷんぷんするかと思いきや、かなり気をつけないとわからないくらいの香りです。仕込前に桶を相当洗浄したのではないでしょうか。これも手間がかかりますね。とろみというほどではないですが少しまろやかで、味わいは少しコクが出ている感じでいつもの高砂や而今より甘味が感じられます。後口に少し余韻がありますが、スッキリ系です。

これが復活木桶仕込み第一弾ということですので、これから味わいがしみ込んだ桶で醸される而今や高砂に期待したいですね。ただ、木桶特有の「天使の分け前」で蒸発してしまう分もありますので、少々もったいない気がします(笑)

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