「醸し人九平次 うすにごり」8年ぶりの生酒は予約数限定出荷
今回は、愛知県名古屋市の萬乗醸造が醸した「醸し人九平次 うすにごり」です。「醸し人九平次」では全アイテム、一度火入れをしていて、ここ何年も「生酒」をリリースを行っておりませんでしたが、この「うすにごり」は8年ぶりとなる生酒での出荷です。
それも、搾ってすぐの最高によい状態のまま届けたいという醸造家・九平治さんの強い想いから、一部の酒店で予約された数量のみを出荷するというこだわりです。私も予約して、さっそく引き取りに行きました。
使用米は自社田の黒田庄産山田錦100%、精米歩合は明記されず、アルコール度数は16度です。
黒田庄は山田錦の特A地区に隣接している栽培奨励地区の兵庫県西脇市にあり、萬乗醸造の米作り担当の方が移住して米作りを行っています。2019年にはここに酒蔵も作られるそうで、フランス米を使用した酒造りなどとともに酒造りのビジョンがかなり大きいものであることがわかります。
さっそくテイスティンググラスに入れてみました。うすにごりらしい綺麗な乳白色です。底にはわずかな澱が沈んでいます。香りはグレープフルーツとまでは行きませんが柑橘系で、口に含むと軽い甘味と苦みがあります。酸はさほど強くありません。後口はスッキリしています。生酒の取って出しだけに、とても若い感じで、食前酒として呑むのに合っている美味しさです。
「醸し人九平次」のラベルには、「開栓直後から時間軸とともに変わっていく印象をお楽しみください」とか、「冷蔵保管すると複数年熟成を見せていきます」と書いてありますが、こちらの生酒は「手に取ったら早めに呑んでほしい」旨が書いてあります。
もちろん、あっという間に呑めてしまうのですが、少し冷蔵庫で保存して味わってみたい気持ちもヤマヤマです。いつもどおり四合瓶に小分けして冷蔵していますので、一本は少しだけ時間をかけて呑んでみたいと思います。