「賀茂金秀」夏に欠かせない低アルコール度数の日本酒
西日本豪雨で甚大な被害を受けた広島県のなかでも、賀茂金秀を醸す金光酒造は今回、被害を受けなかったとHPで報告されていたのでホッとしました。ただ、流通が復活していないので、今後しばらくは品不足になるかもしれません。広島や岡山はこれまでこれほどの自然災害にあったことがないということなので、みなさんご苦労されているとお察しします。
金光酒造は1880年に創業、今も醸されている「桜吹雪」と他の2銘柄で始めた蔵です。その後、1994年の自動プラントの導入後、2003年に社内の蔵人だけで醸す蔵になってから、現在の杜氏である金光秀起氏によって造られた日本酒が「賀茂金秀」です。
秀起杜氏は東京農大の醸造学科を卒業し、日本酒が飲まれなくなっていたころ、経営が厳しくなっていた実家の蔵に戻り、東京で売れる酒をということで、それまで実家の蔵で醸していた日本酒を大きく変えました。この流れは日本全国の蔵元でも同じようになっていて、今をときめく人気蔵はほとんどそういうことになっています。それはまた別の機会で。
タイトルにある夏に欠かせない日本酒ということですが、賀茂金秀には、原酒なのにアルコール度数を13%におさえた製品があります。それはまさしく東京向け、ひいては若い世代向けに醸されたメッセージなのだと思います。使用米は雄町と広島の八反錦というぜいたくさです。発売当初はテスト的に季節限定で出されていましたが、今ではレギュラー酒として購入しやすくなっています。これは冷やして飲むと、本当に夏場に合う日本酒です。夏場はこれだけでOKと言いたいくらいですが、そうするとブログが書けなくなるので言いません。
また、賀茂金秀がいいのは季節限定酒です。春の限定「桜吹雪 特別純米 うすにごり生」や冬の限定「賀茂金秀 やっぱりお燗」などはとてもおいしいです。
お燗の話はまたその季節に置いておくとして、「桜吹雪」は創業当初からの銘柄ですが、現在はこれも広島の酒米「千本錦」を使用して大吟醸にした通年商品と、さきに紹介したうすにごりの2銘柄となっています。
秀起杜氏は、自らの名を冠した「賀茂金秀」のラインナップでさまざまな試みを行っていますし、レギュラー品は雄町を使ったものが多いので、雄町ストには垂涎の蔵元だと思います。
低アルコールの13度など、飲むと驚きがあるので、私は定期的に購入している銘柄のひとつです。ぜひお試しあれ。