「結ゆい」酒蔵に嫁いだ女性が杜氏となって醸す酒

今回は、茨城県結城市で江戸時代に創業の結城酒造です。江戸時代とはかなり漠然としていますが、国の有形文化財に指定されている酒蔵が安政年間(1854-60)に建てられていることが明らかだということで、それ以前から酒造りをおこなっていたと考えられます。一説には1596年創業というのもありますが、ここでは公式HPにある江戸時代ということでいきたいと思います。結城酒造ではこの蔵のほかにも明治期に建てられたレンガ造りの煙突も有形文化財に指定されています。

使用水は鬼怒川水系の伏流水が敷地内に井戸水として湧いていて、そちらを仕込みに使っています。主力銘柄は「富久福」と「結ゆい」です。

結城酒造で主に酒造りを行っているのは浦里昌明蔵元の奥様、美智子杜氏。嫁ぎ先が酒蔵だったため、だんだんと日本酒に興味を持ち始め、茨城県工業技術センターの酒造研修に参加するまでになったそうです。

その美智子杜氏が醸したのが「結ゆい」で、すぐに話題となり人気酒となりました。努力もさることながら、酒造りのセンスがいいのですね。

ということで「結ゆい まっしぐら 純米吟醸」青森県産まっしぐら100%使用、50%精米です。亀口直汲みということで、出来上がってすぐ瓶詰めされているだけあって、フレッシュな香りと若干のガス感があります。さらに若干の甘味があって美味しいです。「まっしぐら」は食用米ですが、「あけぼの」や「あきたこまち」などもあるように酒米としても優れた米があるということですね。

結城市は茨城県と言っても、栃木県の小山に近いのでけっこう内陸です。このあたりでは結城紬が有名ですね。ラベルは結城紬の糸を模した円のなかに、漢字のつくりの「吉」が収まっています。「結」ということで縁を大切にしていることがわかるデザインです。

縁ということでいえば、昨年の夏ごろに美智子杜氏、長野県・酒千蔵野の千野麻里子杜氏、群馬県・町田酒造の町田恵美杜氏、栃木県・相良酒造の相良沙奈恵杜氏の女性杜氏4人が「Angel 4」と銘打って、テーマに沿った日本酒を醸し、ラベルのデザインも合わせてセットで発売していました。

残念ながら呑むことはできませんでしたが、それぞれが高いレベルで酒造りを行っているのはわかっていますし、女性杜氏がどんどん世の中に出ていくことが日本酒界の盛り上がりにもつながっていくと思うので、今年もぜひチャレンジしていただきたいです。愉しみにしております。