「五十嵐 雄町 純米吟醸」手作業で瓶詰する稀少な美酒
今回は、東京「澤乃井」の小澤酒造で働いていた杜氏が独立、埼玉県高麗郡で1897(明治30)年創業、1937(昭和12)年に現在の飯能市に移転した五十嵐酒造「五十嵐 雄町 純米吟醸」です。
五十嵐酒造について
五十嵐酒造が奥秩父からの伏流水で醸すレギュラー酒は「天覧山」という銘柄です。明治天皇が寄居市にある羅漢山で近衛兵の大演習を閲覧されたことで、羅漢山が天覧山と呼ばれるようになったことで名付けられたそうです。「天覧試合」のような感じですね。杜氏は、マスコミ界ではおなじみ日本大学芸術学部の出身でテレビ、映画の美術、展示造形等の仕事を経て1998(平成10)年に五十嵐酒造に入社、その後南部杜氏となったという経歴の小林清司氏です。
「五十嵐 雄町 純米吟醸 無濾過生原酒 直汲み」
岡山県産雄町100%使用で55%精米です。「五十嵐」は「天覧山」を仕込んだ原酒をヤブタから直汲みしたものです。華やかな吟醸香に、シュワっとガス感、酸味が来て爽やかです。甘味と旨味を感じます。味としては甘味の少ないサイダーという感じですが、私の好みの美味しさです。
「五十嵐」は手作業で瓶詰しているということで生産量が少なく(これも限定300本)、なかなか呑むことができませんが、あれば呑みたい銘柄のひとつです。埼玉県の日本酒といえば「花陽浴」がダントツ人気となっていますが、この「五十嵐」もいい線いっていますよ。