「亀齢」信州・上田で醸す綺麗な酒
明日から長野県と富山県の県境に向かうので、本日は長野県の酒をご紹介したいと思います。
長野県と言っても東部の上田市なのですが、その名も「亀齢(きれい)」です。名前のとおり、とても綺麗なお酒です。醸しているのは上田市にある岡崎酒造で、菅平水系の水を使って年間200石という小さな蔵ですが、1665(寛文5)年創業という歴史があります。杜氏は岡崎美都里さんで、東京農大を卒業されています。HPで写真を見ると綺麗な方ですね。
上田市は北国街道沿いで栄えた町で、今も歴史的な建物が街道沿いにあり、そのひとつが岡崎酒造です。また日本棚田百選にも選ばれている稲倉の棚田があり、岡崎酒造はそこで酒米「ひとごこち」を作っていますが、残念ながら私はまだひとごこちの亀齢は飲んだことはありません。
私が始めて飲んだのは、H27BYの「亀齢 大吟醸 山田錦」。醸造アルコールが添加されていて、スッキリ系のお酒でした。このラベルは現在、亀のイラストになっているようです。
そこから長野県産の酒米を使ったH27BY「特別純米 美山錦」のおりがらみ。このときの裏ラベルには年間100石程度を醸しているとあります。綺麗な酒のおりがらみはとてもフルーティで後味もスッキリとしてとても美味しいです。右はH28BYの「特別純米 美山錦」です。洗米を全量手洗いし、槽しぼりまで手作りにこだわった作りで、非常に飲みやすいです。長野県の日本酒は飲みごたえのあるタイプと飲み口のいいタイプの2種類に分かれますが、「亀齢」は後者のトップクラスと言えるのではないでしょうか。
そのような評価がなされていると思われるのが、最近呑んだH29BYの「純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒」の裏ラベルで年間200石を醸していますとの表記がみられたことです。また、山田錦が兵庫県加西市産と明記されており、杜氏の自信を感じさせる文章となっていました。フルーティな香りと綺麗な甘味、旨味が際立っている日本酒となっています。
生産量が少ないうえに海外にも輸出しているのため、なかなか見ることがないですが、将来を期待させる一本です。