「アルプス正宗」高級避暑地御用達の酒

今回は、東京ではあまり見かけない「正宗」のひとつ「アルプス正宗」です。なぜこのお酒かというのは、明日詳しく記しますが、とにかく明治2年創業の亀田屋酒造店が醸しています。

亀田屋酒造店は初代の亀井半十郎さんが松本市島立で創業しました。松本市にはなぜか「島」がつく地名がいくつかあります。なにか意味があるのだと思いますが、その調査ははしょります。洗いから仕込まで、名前の通り、アルプス山系の伏流水を使用していて、地下から汲み上げる水は軟水です。その水を使って主に長野県産のコメでさまざまな酒類を醸しています。

今回試したのは、「秀峰アルプス正宗 風穴貯蔵 純米酒」です。四合瓶ですが、右のような立派な箱に入って1300円という、手に取りやすい値段です。アルプス正宗のHPでは1257円となっていますので、リゾート地価格で43円プラスされているということでしょう。

風穴貯蔵とは、松本ー新島々間を走っている松本電鉄のルートのもととなった、映画「あゝ野麦峠」でも有名な野麦街道沿いを上高地に向かってしばらく進んだ「稲核」というところ(道の駅・風穴の里というのがあります)にいくつもある風穴のひとつで夏の間、貯蔵したものです。風穴は常に気温が8度前後で温度変化がないので、生糸の生産が盛んだった明治時代は、蚕の孵化の調整をするために使われていたそうです。孵化の調整ではありませんが、低温で保存されているということで、ゆっくりと熟成がすすんで、カドのない酒に仕上がっています。とくに銘打ってはいませんが「ひやおろし」と同様の効果なのかもしれません。

長野県産米100%で醸した味は常温でもクセがなく、甘くもなく、辛いというほどでもない、誰でも飲みやすい端麗旨口な感じです。裏ラベルにもありましたが、燗でも冷酒でもOKだと思います。こういう酒が近所のスーパーで売っているとありがたいですね。

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