「若乃井」山形県の雪室でゆっくり熟成される酒

今回は山形県飯豊町で1890(明治23)年創業の若乃井酒造です。近くの若宮八幡宮のそばを流れる野川の下流に掘った井戸から清水が出たことで酒造りを開始したのが社名であり、日本酒の名前でもある「若乃井」の由来だそうです。

若乃井酒造の酒は、山形県飯豊町雪室施設管理組合が管理運営する「YUKIMURO」で長期低温貯蔵され熟成しています。山形県にはこのような雪むろが11棟ほどあって、飯豊町のものは平成9年に完成、もともと山形県産米を貯蔵するためのものだったようですが、貯蔵室の温度は0~5℃で、湿度は80~100%と、冷蔵庫より湿度が高いのが特徴で、雪むろに貯蔵することで酒がまろやかになったり、じゃがいもなどの根菜類の甘みが増すと言われています。

写真は「若乃井 純米無濾過生原酒」山形県産美山錦使用の60%精米で、もちろんYUKIMUROで低温貯蔵されています。低温貯蔵されているということで、ゆっくりと熟成され、口当たりがソフトです。旨味のなかにほんのりと苦みあって美味しいです。

こちらは「特別純米酒 風三」山形県産出羽の里を使用した60%精米です。こちらは山形県の酒米「出羽の里」をあえて使用し、甘味がありながら後口スッキリのキレがあるタイプです。日本酒の「風味」「風土」「風格」と三つの「風」ということで「ふうさん」と名付けたそうです。

山形県のお酒は同じ日本海側の秋田県よりも少し旨味が強いイメージがありますが、まさにその特徴を生かした美味しい一本だと思います。

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