「黒牛」和歌山県代表のボディのある酒

個人的に和歌山県と高知県が似ているようなイメージです。なぜかというと「黒潮」な感じがするからです。和歌山と高知は潮焼けした漁師さんのイメージがあるのですが、どうなんでしょうか?

あと、申し訳ないのですが、東京から行きにくい。もちろん佐賀だったり鳥取、京都の北のほうとかも行きにくいのですが、同じパンダでも、絶対にアドベンチャーワールドで見たほうがいいと思うのに上野に行ってしまう。熊野古道はほぼ和歌山県なのに、奈良のイメージです。まったくディスっているわけではなく、行ってみたいんですけどね。

ということで、和歌山県海南市黒江で明治5年創業、名手酒造店「黒牛」です。海南市は和歌山県の北部、大阪の泉南に比較的近く、海南駅から西に海のほうに向かったところにあります。比較的行きやすい和歌山県ですね。

地元酒は「菊御代」ですが、やはりこれは見たことがありません。HPを見る限り、辛口系のお酒のようです。

そして、平成2年から純米酒「黒牛」を醸し始めて、現在は95%が純米酒という純米蔵となっています。「黒牛」という酒名は、昔、入り江になっていたこの地に黒い牛の形をした岩が浜辺にあったため、万葉集で「黒牛潟」と詠まれ、そこから「黒江」という地名になったことから付けられました。

経営状態は紆余曲折があったようですが、現在は28名の社員さんがいる立派な蔵元です。主力商品となっている「黒牛」は純米大吟醸から純米酒までラインナップされていますが、呑んだことのあるのは左から「黒牛 純米酒 雄町」「黒牛 純米吟醸 雄町 中取り」です。ラベルにも黒牛が描かれ、パンチを感じます。目指している味わいが表現されていますね。

備前雄町を使った酒の中でも甘味、旨味の強いタイプだと思います。決して辛口ではないので、ここは高知の酒とは趣を異にしていますね。

また、山田錦100%使用の「黒牛 純米吟醸」。こちらはパンチがあるというほどではありませんが、山田錦のフルーティな香りと軽やかな甘味がギュッとまとまっています。ソース系の料理に合います。

和歌山県の日本酒でいうと「紀土」がありますが、こちらは華やかな感じに仕上がっていますので、対照的に香りがあってボディがある「黒牛」は、和歌山を代表する日本酒のひとつとしてオススメできますね。

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