「貴」ドメーヌ化を進める山口県の酒蔵

この季節になると呑みたくなる酒があります。1888(明治21)年創業、山口県宇部市の永山本家酒造場が醸す「貴」の「特別純米 ふかまり」です。こちらは昔ながらの流儀を守って、ひやおろしを10月1日の「日本酒の日」以降に発売しています。それが「ふかまり」というわけです。もともと「ひやおろし」という名前でしたが、秋の時期だけでなく後半期の定番的なお酒として販売してほしい・飲んでほしいという想いから変えたということです。山田錦100%使用で60%精米。一杯目は冷やで、二杯目はぬる燗で呑むのがオススメと書いてありますが、ずっと冷やでも美味しいです。

この蔵では、もともと「男山」を醸していましたが、2001年、永山貴博氏が杜氏に就任して、翌年、自らの名を冠した「貴」の発売を始めました。そこからは破竹の勢いで全国に名が広まり、現在は代表取締役にも就任し、日本酒界をリードする蔵元のひとつとして進化を続けています。純米酒だけを醸している「純米蔵」です。

永山本家酒造場のHPを見ると、URLがdomainetakaとなっています。いくつかの蔵元が行っていますが、地元で米作りから酒造りまでを一貫して行うのがドメーヌ化です。ドメーヌはワイン業界用語で、有名なブルゴーニュ地方の自社畑を持つ生産者のことです。小規模の生産者が多く、本数も少ないため高値がつく銘柄もあります。

永山本家酒造場では自社田で山田錦を栽培し、ドメーヌ化を進めています。呑んだことはないのですが、「ドメーヌTAKA」というプレミアムラインではこの山田錦で醸していますね。

こちらはちょっと違いますが、「貴 山廃純米 蔵付天然酵母 雄町」です。2014年に購入したのですが、瓶の上のゴールドのシールには「SAKAMAI VINTAGE 2011」とあります。ヴィンテージ米を使用し、蔵で二年間寝かしたのちに出荷している製品です。

ちなみに、このシールは最近の「貴」には多く貼られています。

こんな貴もありました。「貴 純米吟醸 山田穂」。山田穂は山田錦のお母さんです。山田錦よりも背が高く、穂が小さいのでだんだんと姿を消していった酒米です。

山口県は「獺祭」を始めとして、「貴」「長陽福娘」「東洋美人」「日下無双」「阿武の鶴」など数多くの酒蔵があります。しばらく山口県特集で行ってみたいと思います。