「薩州正宗」鹿児島県唯一の日本酒は甘口

今回は鹿児島県いちき串木野市で1868(明治元)年創業の濱田酒造内にある薩摩金山蔵株式会社で醸される鹿児島県唯一の清酒「薩州正宗」です。濱田酒造には3つの蔵「伝兵衛蔵」「傳蔵院蔵」「金山蔵」がそれぞれ株式会社として独立していて、最も歴史があるのが「伝兵衛蔵」です。ちなみに濱田酒造といえば芋焼酎「海童」ですが、こちらは「傳蔵院蔵」が造っています。

いちき串木野市は鹿児島県の西側にあり、東シナ海に面しています。薩摩川内市との境にある霊峰冠岳の伏流水を使って「薩州正宗」は醸されています。「金山蔵」の由来はかつてここに串木野金山があったことからで、その坑道跡はゴールドパーク串木野というレジャー施設となっていたそうです。その施設が2003年に閉園して濱田酒造が購入し、その坑道を焼酎等の仕込や貯蔵に使用しています。

鹿児島県でも40年ほど前まで日本酒が醸されていたそうですが、温度管理が困難だったということもあり、生産されなくなってしまいました。その40年の間に進化した「森伊蔵」をはじめとした美味しい焼酎がたくさんありますので、わざわざ日本酒を造らなくてもいいのではないかと思いますが、そこは大企業の心意気でしょうか。2012年に最新技術で復活させたのが「薩州正宗」というわけです。

「薩州正宗 純米吟醸酒」九州産の五百万石を使用した60%精米。香りは強くありません。ラベルにもやや甘口とありますが、そのとおりの味わい。若干アルコール感が強いです。お燗にしてみると、乳酸菌臭が立ち、酸と苦みが出てしまうので冷やして飲まれることをオススメします。

 

 

 

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