「菊鷹」山本杜氏によって大きく変わった愛知の酒蔵

今回は愛知県稲沢市で1872(明治5)年創業の藤市酒造です。稲沢市は名古屋市の北西にあって、国府宮神社がある名鉄国府宮駅近くに酒蔵はあります。木曽川の伏流水を使って尾州ことぶき、なおい、本みりん瑞豊などを醸し、また剣菱酒造に日本酒を納めていましたが、平成24年に杜氏として着任された山本克明氏によって大きな変化が訪れました。

それがこの「菊鷹」です。

写真は「菊鷹 ~雲外蒼天~ 山廃 純米吟醸 無濾過生酒」兵庫県産・富山県産山田錦使用で60%精米、熊本酵母を使用しています。雲外蒼天とは、困難を乗り越え、努力して克服すれば快い青空が望めるという意味です。熊本地震が関係しているのかと思ったのですが、関係ないようです。日本酒度は+5、酸度は2.5で、少々酸を感じます。製造されてから1年後に呑んでいますが、ガス感もあり、若干甘さもあるので呑みやすいです。

もう一本は「菊鷹 ~Hummingbird~ 純米 無濾過生酒」富山県産美山錦70%精米に愛知県産夢吟香60%精米で金沢酵母使用です。こちらは日本酒度が±0、酸度は明記されていません。製造されてその年のうちに出荷されています。「雲外蒼天」に比べると甘さ控えめで柔らかい味わいですが、酒母に乳酸発酵したものを使用しているので、こちらも酸を感じます。

生産量が少ないため、なかなか手に入りにくい銘柄ですが、愛知県にまたひとつ「幻の日本酒」が誕生しましたね。

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