「紀土 純米吟醸酒 しぼりたて」今、勢いに乗っている酒蔵の酒
今回は、和歌山県海南市で1928(昭和3)年創業の平和酒造「紀土 純米吟醸酒 しぼりたて」です。平和酒造は2020年、「紀土 無量山 純米吟醸」でインターナショナル・ワイン・チャレンジ「IWC2020」でチャンピオン酒を獲得し、勢いに乗っている酒蔵です。酒名の「紀土」は「紀州の風土」という意味と、まだまだこれから成長していく『KID(子ども)』を掛けています。純米大吟醸のスパークリングがANAのファーストクラスで提供されていました。
平和酒造について
創業者は江戸時代から続いていた和歌浦の谷口酒造の谷口保氏で、婿養子に行った山本家で酒蔵を創業しました。山本家は仏寺で、無量山と呼ばれていたのが前述のチャンピオン酒の名前に使われています。戦時中には蔵を京都の酒蔵に貸さないといけなくなったこともあって、戦後の復活は大変だったそうです。
海南市は和歌山県でも大阪寄りで淡路島にも近く、海に面していますが、酒蔵があるのは一番山寄りで高野山の伏流水を仕込み水として使っています。酒米も蔵人が近隣農家の協力を得て栽培から稲刈りまで行っているそうです。
「紀土 純米吟醸酒 しぼりたて」
五百万石100%使用で麹米50%、掛米55%精米です。しぼりたてなのでガス感があるかと思いましたが、開栓して少し経ってしまったのか、あまり感じられませんでした。しかしながら、口に含むとなめらかな口当たりにキレイな甘味を感じます。純米吟醸でありながら四合瓶で税込1265円、一升瓶で2530円ですから、非常にコスパが高い一本と言えます。
「紀土」は4代目の蔵元・山本典正氏が始めた銘柄で、現在も進化を続けています。意外と買えるところが少ないので、飲食店等で見かけましたら、試していただきたい銘柄です。