「上喜元 純米吟醸 仕込第五三号 ”渾身”」カリスマ杜氏が醸す渾身の酒

今回は、山形県酒田市日吉町で1946(昭和21)年、「男山」「養老」「藤屋」「千里井」「玉の川」という名前の酒を醸していた5つの酒蔵が合併して誕生した酒田酒造「上喜元 純米吟醸 仕込第五三号 ”渾身”」です。酒田酒造は生産量のほとんどが吟醸以上という蔵になっています。「上質な喜びの元」という意味の「上喜元」は私が好きな日本酒のひとつです。

酒田酒造の代表取締役社長兼杜氏の佐藤正一氏の名を冠した「仕込第五三号」ですが、53番目のタンクで仕込んだことからこの名前となっています。

「上喜元 純米吟醸 仕込第五三号 ”渾身”」

兵庫県産山田錦と兵庫県産白玉を使用、55%精米です。穏やかな香りに、無濾過生原酒ならではの酸味、旨味が力強いなかにもバランスよく調和されて、スッキリと喉元を通り過ぎていきます。カリスマ杜氏の一人とされる佐藤杜氏”渾身”の一本ですので、間違いない味わいですね。

ところで、「杜氏」というと「南部杜氏」「越後杜氏」「丹波杜氏」が有名ですが、厳密にいえば、各地方にいらっしゃいます。農口尚彦研究所の農口杜氏は「能登杜氏四天王」のひとりと呼ばれていました。夏は米作りなどの農業、冬は酒蔵というような仕事がない時の副業のようなものだったと思います。現在は酒蔵が株式会社になっているところが多いので、社長などを兼務する蔵元杜氏も多くなっていますね。

また試験に受かることで○○杜氏と名乗れるところもあります。昔ながらの徒弟制度も無くなっていくのかもしれません。

そんな時代だからこそ、自らの名を冠した酒を造り続ける佐藤杜氏に期待するところは大きいです。

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