「真野鶴」佐渡の自然を生かした酒

今回は新潟県の日本酒です。と言っても本州ではなく佐渡島に6つある蔵元のうちのひとつ、1892(明治25)年創業の尾畑酒造「真野鶴」です。S字型をしている佐渡島の下のカーブの内側にある真野新町にあり、真野鶴と名付けられました。佐渡は平成23年6月、日本で初めて世界農業遺産(GIAHS)に認定されており、絶滅危惧種のトキもくらしているため、環境に優しく、減農薬・減化学肥料による酒米の契約栽培を行っています。

こちらの「真野鶴 純米吟醸」はその佐渡産五百万石100%で醸されています。冷水で冷やされている田端の店で呑んだものですが、刺身を大量に出してくれるので、口が魚の油であふれてしまうところを、フルーティでジューシーで辛口な真野鶴が流してくれてスッキリという感じです。大量の刺身には当たりの酒でした。

佐渡といえば金山が有名ですが、尾畑酒造には、山田錦40%精米の大吟醸を佐渡金山の道遊坑で長期熟成した「真野鶴・佐渡金山秘蔵古酒」があります。佐渡金山の坑道は、他の坑道と同様、年間を通しておよそ10~11度に保たれています。平成6年、未公開だった鉱石発掘運搬用の坑道を利用して日本酒の秘蔵古酒造りに取り組んだそうです。なかなか飲むことはできませんが、琥珀色になっているのは間違いありませんね。

また、少子化は日本全国の課題ですが、そのために2014年から、136年の歴史に幕を閉じて廃校となった小学校の建物を仕込み蔵として醸した酒「学校蔵」を販売していたり、地元の振興に貢献しています。

蔵見学も受け付けているようですので、佐渡観光の際にはぜひ訪れてみたいですね。

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