「澤乃井」奥多摩の渓流沿いに立つ酒蔵
暑い日が続くと涼を求めたくなりますね。そんなとき思い出すのが東京の奥座敷、奥多摩に青梅線で向かう途中の沢井駅が最寄りとなる「澤乃井」の小澤酒造です。
酒蔵のすぐそばを流れる御嶽渓流は多摩川の上流にあたり、涼しさを演出してくれます。できれば、ひとつ奥の御嶽駅まで行き、渓流の遊歩道を散策してから小澤酒造の中にある「澤乃井園」で冷たいビールと新鮮な日本酒をいただくのがオススメです。
登山が趣味の方は、御嶽駅から渓流と反対側に向かって、高尾山より少し高い標高929メートルの御岳山を登り、頂上にあるパワースポット「武蔵御嶽神社」にお参りしてから渓流を歩き、澤乃井園で一杯というコースがいいかもしれません。脚力に自信のないかたでも途中までリフトやケーブルカーがあるので、ラクに登れます。ちなみにこの武蔵御嶽神社のお神酒は小澤酒造が奉納しているようです。
沢井にあるから「澤乃井」
小澤酒造は元禄15(1702)年創業。沢井村と呼ばれていた現在の所在地にちなんで酒の名前を「澤乃井」と名付けました。昭和41年には庭園「澤乃井園」を開き、売店で酒類とつまみを提供し始めています。現在は日本酒だけでなく、豆腐も造っており、川の反対側には美術館などもあったりして観光スポットとなっています。
多摩川の流れのおかげで夏でも爽やかですし、秋には紅葉が出迎えてくれます。中央線のホリデー快速なら乗り換えもなく一本で行けるので、1日過ごすにはいいところですね。
小澤酒造は通年で酒蔵見学が可能なので、とりあえず冷たいビールで疲れをいやしたら、酒蔵見学で日本酒の試飲というのもいいですね。蔵の中は涼しく、汗も引っ込みます。酒造りの知識も身に付きますので、小澤酒造HPの営業カレンダーを見て予約してみてください。
レギュラー酒の「澤乃井」に加えて9月には「ひやおろし」が、11月になれば「しぼりたて」が売店で供されます。写真は左が「辛口にごり酒」「本醸造 しぼりたて」。右はここでしか飲めない「純米原酒 しぼりたて」です。夏には夏酒の「さわ音」やサッパリした大定番「大辛口」もいいと思います。
味わいは現在の流行とは言えませんが、歴史を守ってきた重厚な味。外で飲む日本酒もオツなものです。暑い夏を避けるひとつのアイデアとしていかがでしょうか?