「山の井」会津の地下水で仕込む若き杜氏のコンセプト酒
今回は、福島県南会津郡南会津町で元禄年間に創業、会津酒造です。元禄年間というと1688年~1704年ですので、少なくとも310年の歴史はありますね。仕込水は地下40mからくみ上げた超軟水で、地元酒「會津」を醸しています。
その会津酒造の蔵元杜氏である渡部景大氏のコンセプトで醸しているのが「山の井」です。山の井とはまさに山に湧き出る泉のこと。もともと会津酒造にあった銘柄だということですが、景大蔵元杜氏が10年前に東京農大を卒業後、蔵に戻って南部杜氏に学び2年後に新しいコンセプトで再開しました。
「山の井 純米吟醸 雄町50」雄町100%使用の50%精米です。「感じるままに飲んでください」楽しみながら酒を造り続けているというメッセージがラベルに記されています。爽やかな香りに、雄町らしい甘味と力強い旨味が美味しいです。本数も限定なので、なかなか目にすることができませんが、ぜひ試していただきたい逸品です。
福島県は東から「浜通り」「中通り」「会津」と3つに分けられますが、それぞれに際立った味わいを持つ日本酒があります。それも夏暑くて冬寒いという気候がなせる業かもしれませんが、その酒蔵に働くひとたちの情熱が素晴らしい味を造り出してくれているのだと思います。