「純米吟醸 泉川」十四代同様、出合えると嬉しい酒

今回は、福島県会津坂下町で江戸時代文化・文政年間に創業、廣木酒造本店の「純米吟醸 泉川」です。安達太良山帰りに寄った居酒屋で呑んだ酒が素晴らしいラインナップとなりました。

廣木酒造本店について

会津と言えば会津若松ですが、会津坂下町はそこから只見線に乗って魚沼のほうに八つ目の駅です。越後街道(国道49号線)沿いにあり、そこを往来していた人々に酒を供していたと思われるという記事がありました。現在の廣木健司代表がまだサラリーマンをされていた当時は、地元銘柄の「泉川」が価格で勝負の経済酒で、もっぱら北海道へ出していたそうで、かなり厳しい経営環境だったということです。その蔵を継ぐ決断をし、大手の酒蔵では大量生産しにくい無濾過生原酒で勝負しようと試みたのが「飛露喜」でした。「飛露喜」を出してからの発展ぶりは皆様ご存知のとおりですが、廣木代表はその技術を自分だけではなく、地元の後輩に惜しげもなく伝授します。震災で風評被害にもあった福島県ですが、「写楽」や「廣戸川」「ロ万」「一歩己」などが台頭してきたのも廣木代表のおかげだと、私は勝手に思っています。

「純米吟醸 泉川」

国産米(山田錦、 五百万石)100%使用で55%精米です。吟醸香、酸味、甘味は控えめですが、旨味と後口スッキリさはバツグンです。地元酒ということで、華やかさを抑えめに醸されているのだと思います。いただいた居酒屋の店主は「飛露喜は地酒じゃないんで」とおっしゃっていましたが、確かにそうですね。「泉川」が地酒です。

福島県の日本酒はいいですね。全国新酒鑑評会の金賞獲得数8回連続の「日本一」となるのもわかります。廣木酒造は出品していませんけどね(笑)

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