「山本 純米大吟醸 神力」熊本城復旧支援の酒
今回は秋田県山本郡の山本合名会社「山本」です。山本と言えばレギュラー銘柄「白瀑」の名があるほど、白神山地の水を使って醸されている酒蔵ですが、その水を使って今回醸した酒米はなんと「神力」です。
「神力」はもともと兵庫県の酒米で、「愛国」「亀の尾」とともに3大酒米と呼ばれて昭和10年頃まで西日本各地で清酒醸造用に広く使用されていましたが、 病気にかかりやすく、他の銘柄が登場してきたため廃れてしまいました。それが復刻ブームもあって平成6年に熊本県で復活したわけです。
その熊本県阿蘇市の内田農場産「神力」100%を50%精米して、やはり熊本県の協会9号酵母で醸したのが「山本 純米大吟醸 神力」です。吞み口は酸があって輪郭がしっかりとあってシャープな美味しさです。さすが「山本」です。
ここまで熊本県縛りで醸しているのは何か理由があるのかと思いきや、裏ラベルの熊本城バーコードでわかるように、熊本城復旧支援の一環ということです。販売価格が熊本県より185円高く設定され、販売店、卸問屋、山本合名会社の売り上げの一部を合わせて一升瓶一本あたり360円を熊本城復旧支援金として寄付されるそうです。
裏ラベルに山本さんの熊本城に対する思い入れなども書いていただけると、もっとよかったと思いますね。もちろん私も、熊本城が一刻も早く復旧してくれることを願っていますけれど。