「福田」玄界灘に面した九州のはずれで醸す酒
今回は長崎県平戸市で1688(元禄元)年創業、福田酒造の「福田」です。地図を見ると九州のはしっこで五島列島に近いです。蔵の歴史は古く、平戸藩の御用酒として愛飲されていたのが「福鶴」という銘柄です。現在は契約農家で栽培された山田錦を使って35%~65%精米の吟醸酒を醸しています。その他大吟醸で「長崎美人」という銘柄があります。創業当時の蔵は酒造りだけでなく、博物館としても使われており、見学することができます。
九州の蔵なので焼酎も造っており、じゃがいもを使ったじゃが芋焼酎「じゃがたらお春」のほか米、麦焼酎もあります。そんな福田酒造が醸すのが蔵の名前を冠した「福田」です。蔵近くの休耕田を復活させ、農家と協力して米も作っているそうです。
写真は「福田 純米 山田錦」山田錦100%使用の65%精米。酸味を感じる軽い旨口です。もう少し甘味が強くてもいいかもしれません。
長崎県は一人当たり日本酒消費量で全国39位。40位に千葉県、41位神奈川県、42位愛知県と言った意外なところを従えています。それ以下は九州と沖縄です。逆に焼酎では全国7位。それほどより上は九州沖縄となぜか青森。福岡は9位、佐賀は17位です。
九州の酒は佐賀、福岡を除き、焼酎の味わいに引っ張られて辛口になる傾向があるのかもしれません。
ちなみに福田酒造のある平戸市はふるさと納税でかなり税収が上がりましたが、「福田」は返礼品には入っていません。その代わりに福田酒造が造っているリキュールと梅酒の「ORATIO(オラショ)」、麦焼酎「カピタン」が各々1万円でもらえます。