「みむろ杉」酒の神に最も近い酒蔵

前回の「風の森」をうけて、日本酒発祥の地、奈良繋がりでいきたいと思います。

ところで、みなさんは酒造りの神さまがどこにいるかご存知でしょうか?

酒の神は「高橋活日命(たかはしいくひのみこと)」といい、『日本書紀』にその名前があります。疫病が蔓延していたとき、高橋活日命が酒を造り、それを奉納して収まったことで、杜氏の神さまとなりました。その神さまが祀られている摂社は活日(いくひ)神社といいます。

そして、その神社がどこにあるかというと、奈良県の大神(おおみわ)神社(写真)なのです。酒蔵でおなじみの杉玉はこの大神神社で一手に作られて全国各地の酒蔵に送られています。

大神神社は本殿を持たず、三輪山をご神体として祀っています。山をご神体とする神社は最も古い形式ですので、大神神社は日本最古の神社と呼ばれています。この三輪から天理に続く道が日本最古の古道「山の辺の道」で、大神神社のほか、「石上神宮」「相撲神社」、少し道をはずれると戦艦大和と乗組員を祀る「大和神社」などがあります。大神神社の近くには卑弥呼の墓とも言われている「箸墓古墳」があり、この地の歴史の古さを感じさせます。

三輪山は「三諸山(みむろやま)」と呼ばれ、「みむろ」は「実醪(酒のもと)」ということで、酒の神様としての信仰からの呼び名であるとも言われています。今回紹介する日本酒は、まさにその名を冠した「みむろ杉」です。

これは初めて飲んだ「みむろ杉」で、「純米吟醸 雄町 無濾過生原酒 おりがらみ」です。フルーティな香りのおりがらみがいいですね。

三輪山の伏流水を使い、奈良県の酒米「露葉風」で醸した辛口の特別純米酒。重さはなく、とても軽口のすっきりしたお酒です。

こちらは同じ露葉風を使った純米吟醸です。無濾過生原酒の中汲みなので、旨口な感じです。

このみむろ杉を醸す今西酒造はまさに大神神社のすぐ近くにあり、ガイドツアーもやっています。また、近くには有名な三輪そうめんの店もありますので、ぜひ観光で訪れて、そうめんを食べながら美味しい日本酒を味わいたいものです。

日本酒発祥の地とも言われる奈良県ですが、「風の森」やこの「みむろ杉」など、地元にこだわりながら新しい試みを続けている蔵があります。日本酒ブームを続けていくためにも、がんばってもらいたいですね。