「羽根屋」四季醸造で最高をめざす蔵

今回は富山県富山市で1916(大正5)年創業の富美菊酒造です。こちらでは「羽根屋」「富美菊」を醸していて、その名の通り「富山の美味しい酒」を目指して名付けられました。立山山系の伏流水を仕込み水に使用しています。

この蔵では、「すべての酒を大吟醸と同じように醸す」というポリシーで造っています。酒米の原料処理の要である吸水作業を、ザルに小分けして秒刻みで吸水具合を調整するという、鑑評会に出品するような酒の造り方です。また温度管理が徹底されているため、一年を通して生産、出荷の「四季醸造」蔵です。

生産量が500石ということで、冬場に大量に仕込むことが難しいため、酒母も仕込みも上槽場も全て冷蔵庫の中で行っています。量を造るというよりは、少しずつ上質なものを造り続けるという姿勢ですね。

この時期の一番手は「羽根屋 純吟 煌火」。富山県産五百万石100%使用で60%精米です。開栓すると「ポンッ」とガスが抜ける音がします。口に含むと軽くガス感があって爽やかな甘さがあります。後口はスッキリ、華やかな香りもあってオススメの一本です。

ちなみに「KURA MASTER2018」の純米大吟醸酒&純米吟醸部門 プラチナ賞を受賞しています。「羽根屋」ではほかにも「羽根屋 純米吟醸 富の香」は上位5酒に入りました。

四季醸造の代表的なものとして、夏の純米吟醸があります。夏酒はアルコール度数を下げたりして軽やかなものが多いですが、こちらは15度ありますし、飲み口は「煌火」同様の爽やかさです。

蔵元兼杜氏の羽根敬喜氏をはじめとした蔵人のみなさんの情熱が溶け込んでいる「羽根屋」。限定流通品ですが、間違いない美味しさです。

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