「原田」200年の歴史を持つ山口県周南市の酒蔵

今回は、山口県周南市の(株)はつもみぢの会が開かれましたので、そのご報告です。はつもみじは1819年創業で今年200周年を迎える、歴史のある蔵元です。ですが、1985(昭和60)年にサワーブームが到来し、日本酒の消費量が壊滅的に減少したことで日本酒の醸造をやめてしまいました。それから、獺祭を醸す前の旭酒造の「旭富士」を瓶詰めして販売する会社となりました。

ですが、現在の原田社長兼杜氏が蔵に戻り、日本酒の醸造を再開したのが2005(平成17)年です。そこから銘柄名を「原田」にして現在に至ります。原田社長は東京の私立大学を卒業後、ニッカウヰスキーに就職して働いていましたが、家業の危機の際に実家に戻りました。

はつもみぢは周南市の徳山駅から徒歩数分のところにあります。徳山、山口県周南市の(株)はつもみぢの会が開かれましたので、そのご報告です。はつもみじは1819年創業で今年200周年を迎える、歴史のある蔵元です。ですが、1985(昭和60)年にサワーブームが到来し、日本酒の消費量が壊滅的に減少したことで日本酒の醸造をやめてしまいました。それから、獺祭を醸す前の旭酒造の「旭富士」を瓶詰めして販売する会社となりました。

ですが、現在の原田社長兼杜氏が蔵に戻り、日本酒の醸造を再開したのが2005(平成17)年です。そこから銘柄名を「原田」にして現在に至ります。原田社長は東京の私立大学を卒業後、ニッカウヰスキーに就職して働いていましたが、家業の危機の際に実家に戻りました。

はつもみぢは周南市の徳山駅から徒歩数分のところにあります。徳山は『海賊と呼ばれた男』出光佐三の故郷で、出光興産創業の地でもあります。もともとあった日本海軍の燃料廠跡地を払下げて石油の精製基地を作りました。その繁華街の中心に会社があるということですが、再開にあたって周囲から苦情はなかったのかと聞いたところ、米の香りが懐かしいという言葉をもらったそうです。

原田社長が日本酒を醸そうと考えたのは、それがすべてではないですが、山口県の利き酒会で優勝、西日本でも2位になったことが理由としてあるそうです。それまで、他社の日本酒を瓶詰して「初紅葉」として売っていたので、利き酒会で優勝した蔵人がいる蔵の日本酒がなんでこんなに美味しくないのかと言われ、ショックを受けて自分でも日本酒を醸してみたいと思ったそうです。

その際に目標としたのは福島県の「飛露喜」。気候的には絶対違うのですが、あの澄んだ甘味、旨味を醸してみたいと思いました。地元の師匠は「貴」の永山社長で、いろいろ教えてもらったということです。

しばらく日本酒を醸していなかったということで、酒米の調達には苦労しました。山口県産の酒米だけを使って、純米酒だけを醸すというルールを課してしまったために、まずはJA に頼みましたが、金額的に合わないため、近所の農家に山田錦の栽培をお願いしたそうです。現在は契約農家だけで十分な量を供給してもらえるので、山田錦と西都の雫の2種類で全量を醸すことができるようになりました。

ちなみに「長州山田錦」という名称は原田社長が付けたそうですが、他の蔵には広まっていないので寂しく感じているそうですよ。ということで、今回のラインナップです。

まずは「長州山田錦 純米大吟醸原酒 原田35 槽搾り 30BY」山口県産山田錦100%使用で35%精米です。日本酒鑑評会の出品酒ですがアル添ではないため、なかなか賞が取れないということです。非常にキレイな味わいですが、少し渋みを感じました。ヤブタを持っていなくて全量を槽で搾っているので、手間暇がかかっている結果、そうなるのかもしれません。

「西都の雫 純米大吟醸 原田」西都の雫79%、山田錦21%使用で40%精米です。西都の雫は難しい酒米ということで掛米に使用し、麹米に山田錦を使って味のコントロールをしているということです。上の山田錦35%よりスッキリしています。

「西都の雫 純米吟醸 無濾過生 夏吟醸」西都の雫79%、山田錦21%使用で50%精米です。夏酒となっていますがアルコール度数16度と普通の日本酒です(笑)

ですが、西都の雫の特徴なのか、スッキリしています。もともと通年商品だったそうですが、夏酒特有の青い瓶に入っていると夏酒な感じがする味わいです。

「夏純米原田 無濾過生原酒」山田錦100%使用で60%精米です。アルコール度数を14度に抑えこんだ「夏酒」です。すこし濁っていますが、ガス感はありません。それも槽搾りのせいだそうです。「夏酒」対決でいうと、西都の雫のほうが好みです。

「長州山田錦 原田 特別純米無濾過生」山田錦100%使用で60%精米です。5月に搾ったということで令和1BYです。こちらは搾りたてなのでガス感が残っていました。とても飲みやすいです。

「特別純米 原田 にごり酒」山田錦100%使用で60%精米のにごり酒です。アルコール度数は18度と高いですが、がっつり系のにごり酒なのであまり感じません。どぶろくっぽい色合いですが、すいすい呑めます。

「純米酒 原田80」山田錦100%使用で80%精米。店ではお燗もいただきましたが、冷やでも美味しいです。最初から精米歩合が下がっていくにつれてスッキリ感が増している気がします。

「純米酒 はつもみぢ」西都の雫100%使用で75%精米です。もともとはこの銘柄で他社の日本酒を販売していたということですが、現在は自社の日本酒のみ販売しています。レギュラー酒でも純米酒です。けっこうな辛口の味わいです。

呑み飽きしない食中酒を心がけて酒を醸しているという原田社長兼杜氏です。今回は量が多かったので、味にかんするレポートが少ないですが、東京で扱っている酒屋さんは少ないので、見かけることがありましたらぜひ味わっていただきたい上質の日本酒です。

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