「ALPHA 風の森 TYPE7」家呑みにピッタリ。味の変化が愉しめる酒

今回は、奈良県御所市の油長酒造「ALPHA 風の森 TYPE7」です。昨年、創業300周年を迎えた油長酒造が最先端の機材を使って醸しています。なかでもALPHAシリーズは「風の森」の中でも独創的な技術で日本酒の可能性を追求するブランド。低精米、低アルコール度数、お燗の温度がわかるシール付きなど面白い取り組みを行っています。

その最新作がこの「TYPE7」で、テーマは「一期一会」。私も決め打ちすることなく酒屋に行って、巡り合えた銘柄を購入する「一期一会」を大切にしていますが、残念ながらこちらは決め打ちして購入してしまいました(笑)

なぜ「一期一会」かというと、この商品は「ALPHA 風の森 TYPE 7 : Light」(日本酒度 +10 以上 酸度1.5 程度)と「ALPHA 風の森 TYPE 7 : Full」(日本酒度 -10 以下 酸度3.0 程度)の2本セットになっていて、付属のビーカーで好みのブレンドバランスを見つけるというものだからです。

使用米は奈良県の酒米「露葉風」100%使用で70%精米です。十分低精米ですね。

普通に「風の森」を呑んでも、開栓仕立てと1週間後(本当は2週間後と書きたいところですが、そんなに残っていたことがないので…)で微発泡な感じが違っていますので、少なくとも4種類の味わいは愉しめるわけですが、さて、ブレンドするとどうなのでしょうか。

まずは「ALPHA 風の森 TYPE 7 : Light」から。

開栓するとプシュッと軽快な音がして、マスカットのような香りが広がります。器の底には泡が付いていて、口に含むと酸と甘味を感じ、軽やかな後口です。

次に「ALPHA 風の森 TYPE 7 : Full」。

こちらはジューという音がしましたが、はじけるような感じはなく開栓。少し泡はありますが、微発泡感はあまりなく、酸味がより強く感じられ、口の中にまったりと広がるイメージです。

さて、課題のブレンドです。

同じ米、同じ7号酵母を使ってもこれだけ違う味わいが造れるというのは、すばらしい技術ですね。もちろんどちらを単独に呑んでも間違いなく美味しいのですが、せっかくのブレンド用ビーカー(HARIO製)がありますので、チャレンジしてみます。付属のリーフレットにブレンドの仕方が書いてありますので、そのとおりにやってみます。

【1】まずはそれぞれのお酒をそのまま少しずつ楽しむ。目標のバランスをイメージする
【2】付属のビーカーにメインにしたいお酒を30mlの目盛りまで注ぐ
【3】もう一方のお酒を適量加え、テイスティングをする
【4】自分の好みのバランスを見つける
【5】酒器に注いで楽しむ

<ブレンド1>

まずは、なんとなく「Full」のほうをメインに使ってみたいと思います。ビーカーに30ml入れて「Light」を10ml入れると、若干微発泡感がやってきますが、微妙にまったりしていて中途半端な感じがしたので、さらに10ml追加しました(30:20)。

「Full」の酸味が軽やかになって、まったり感のほうが勝っていますが、微発泡感もほんのり愉しめます。甘味はあまり感じられませんでした。

ちなみに代表の山本長兵衛氏のおすすめは「Full」2:「Light」1のブレンドということです。

<ブレンド2>

次は「Light」をメインに、醸造担当中川悠奈氏のおすすめにある「Light」2:「Full」1でブレンド。微発泡感は若干減りますが十分なくらいあり、酸味が増して後口もスッキリしているので、プレミアがついているどこかの銘柄のような味わいが愉しめます。

さらに「Light」を30ml、「Full」を20mlでブレンドすると、「Full」メインより微発泡感があり、その後、酸味、甘味が感じられ、後口はスッキリと、一番いろいろな味わいが感じられました。

たった4パターンですが、この時点での私のオススメは「Light」をメインに、盃を重ねるごとに「Full」を少しずつ増やしていくパターンですね。軽→重となっていきます。間違いなく「呑み過ぎ注意!」です。

ただ、前述のとおり「風の森」は日にちが経つと味わいが変化していきますので、また違った結果となるような気がします。GWの最終日までに万が一、残っていたらレポートさせていただきます(笑)

追伸:2日後ですが、予想通り「Light」「Full」ともに熟成が進み、「Full」がちょうどよい微発泡感、甘味が出て、「Full」3に「Light」2の割合がもっともいろいろな味わいを感じられる組み合わせとなりました。

さらに4日後、今度は「Full」の熟成が進み過ぎた感じで、元の「Light」3の「Full」2で、微発泡感、酸味、甘味とどんどん味が複雑化していっています。面白いですね。

フォローお願いします。