「AKABU 純米吟醸 雄町 NEWBORN」年々味が向上している酒

今回は岩手県大槌町で1896(明治29)年創業で、2011年の東日本大震災で被災、現在は同じ岩手県盛岡市で酒造りを行っている赤武酒造「AKABU 純米吟醸 雄町 NEWBORN」です。

赤武酒造について

もともと蔵のあった大槌町は釜石の北にある海岸沿いの町で、リアス式海岸特有の自然にできた港湾状の土地によって、美しい景観とともにこれまでに何度も被災してきたという歴史があります。その最たるものが東日本大震災による津波でした。市街は津波によって壊滅状態となり、赤武酒造も同様に被災しました。本社はそのまま大槌町においていますが、現在は盛岡の復興蔵で酒造りを行っています。

なぜ盛岡かというと、当時、盛岡市は所有していた施設等を被災企業に貸し出す事業を行っており、赤武酒造はその一部を借り受けリキュールの製造を始めました。その後、他の蔵元に間借りする形で平成23年に「浜娘」の醸造を再開。そして酒造組合の補助金制度を利用して盛岡市から借地可能な土地の紹介を受けて復興蔵を建て、現在に至っています。幸いなことに酵母は岩手県の醸造試験場に保管されていたため無事でしたが、水が違うため、古舘秀峰社長はまた一からの酒造りという気持ちで再開したということです。そして「赤武」は2014年、まだ22歳だった六代目の古舘龍之介氏を中心に新しく造られた銘柄です。

「AKABU 純米吟醸 雄町 NEWBORN」

岡山県産雄町100%使用で50%精米です。「NEWBONE」シリーズは生酒かつ「中取り」部分だけを瓶詰めしたものです。フルーティな香りに少しガス感があり、甘味と酸味が相俟ってスッキリした味わいとなっていて美味しいです。

「赤武」は年々味が向上している感じがします。龍之介杜氏も30歳を間近に脂がのってきた感じでしょうか。どんどん美味しい酒を出していただきたいものです。

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