「田酒 純米吟醸」幻の酒米「辨慶」100%の酒

今回は、青森県青森市の西田酒造店、「田酒 純米吟醸」です。こちらは幻の酒米「辨慶」を使用しています。

「辨慶」はもともと兵庫県で1924年に開発され、戦前まで兵庫県で最も栽培されていた人気の酒米でした。それが「山田錦」の登場によりだんだんと作付面積が減少し、一時はまったく栽培されなくなってしまいました。

それを西田酒造店が、わずかに残っていた籾を使って復活させ、まず「上喜元」の酒田酒造で醸し、その後「田酒」でも醸したというわけです。現在もこの2蔵でしか使用されていないそうです。

「田酒 純米吟醸 辨慶」兵庫県産辨慶100%使用の50%精米です。開けたてだったためか、少し硬めの味わいです。香りはそんなに強くありません。甘味の後に苦みが若干ありますね。ですが後口はスッキリです。

山田穂をはじめ愛山にしろ辨慶にしろ、やはり日本酒界の大御所の資本で復活、保存栽培していただけるのは日本酒好きとしてありがたいことです。

ですが、愛山の生産量に比べて辨慶の量が少ないのはなぜでしょうか? 味としてはなかなかのものだと思うのですが、栽培が難しいのかもしれません。または、使いたいという蔵が少ないのか…。いずれにしても、一度味わっていただきたいお酒のひとつです。

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