「櫻正宗」正宗の元祖となる兵庫県・灘の酒

今回は、兵庫県伊丹市で1625(寛永2)年創業、江戸時代に神戸市東灘区に移転した櫻正宗株式会社です。いわずと知れた「正宗」の元祖です。東京ではあまり馴染みがないのですが、鶯谷の「鍵屋」など歴史の古い居酒屋ではラインナップされています。

櫻正宗といえば「宮水」です。灘の酒を一躍有名にしたこの水を発見したのが六代目当主の山邑太左衛門で、西宮市に「宮水発祥の地」が残っています。そんな日本酒の歴史そのもののような酒蔵ですから、こちらの家付き酵母が「一号酵母」として登録、頒布されました。昭和10年以降、一号酵母は使用されなくなり、消滅してしまったと思われていましたが、少し前から復活して「櫻正宗」はもちろんのこと、有名なところでは「ソガ・ペール・エ・フィス ヌメロアン」や「玉川 一号酵母」などで醸されたりしています。

ということで「櫻正宗 稀 さくら」兵庫県産米100%使用で70%精米です。無味無臭とまでは言いませんが、それに近い淡麗辛口です。醸造アルコール添加で、さとうきびの甘味のような味がします。レギュラー酒ですが、新元号記念として令和の肩ラベルがついていました。

「清酒」と音が似ているのでつけたと言われる「正宗」のロゴはこの蔵が作ったのだと思いますが、けっこうな割合でこれが使われているのはなぜなんでしょうか。櫻正宗があまりに評判を生んだために、正宗を付ける蔵が増えたとともに、ロゴまで使ったということなんでしょうか。著作権にうるさい現在ではありえないことですね。

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