「天吹 裏生酛 純米吟醸 生」花酵母を使った香り高き酒

今回は、佐賀県三養基郡の天吹酒造「天吹 裏生酛 純米吟醸 生」です。四回前に「恋するバナナ」という天吹の酒をご紹介しましたが、こちらは天吹酒造の主力のひとつ「花酵母」を使ったものです。「花酵母」とはその名のとおり、天然の花から分離した酵母のことで、東京農大短期大学部醸造学科酒類学研究室の中田久保教授が世界で初めて誕生させたものです。フルーティでキレのあるアベリア、ベゴニアや、バナナのように甘い香りのシャクナゲ、お燗にぴったりのマリーゴールドなど、東京農大花酵母研究会加盟蔵のみが使用を許されています。

天吹酒造の木下壮太郎社長が大学時代に中田教授に師事したことで、花酵母を使った日本酒を醸しています。バナナ酵母を使った日本酒を醸したのも、このことから抵抗感がなかったのでしょう。

ということで「天吹 裏生酛 純米吟醸 生」です。雄町100%使用で50%精米。生酛で熟成したところにシャクナゲとオシロイバナ酵母を使っています。雄町の力強さと旨味に、酸味と花酵母由来の華やかな香りが吟醸香ミックスされ、香り高い味わいとなっています。アルコール度数は16度ですが、酸味と旨味と香りの相乗効果で軽く味わえる美味しさになっています。

裏生酛の「裏」がどういう意味かわかりませんが、普通の生酛ではないということが「裏」なのかもしれません。花酵母、面白いですね。昔、「eve(イヴ)」というバラの香りがするガムがありましたが、そんな日本酒も登場するかもしれませんね。

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