「原田」西都の雫と山田錦で全量醸す蔵

今回は1819(文政2)年に山口県周南市で創業、(株)はつもみぢの「原田」です。昭和3年に原田酒造となり、日本酒「初紅葉」を醸していました。戦後の昭和29年、生野酒造と合併して初紅葉酒造となり、日本酒の製造を続けていましたが、昭和48年をピークに日本酒販売量が落ち続け、自社の日本酒販売量も低迷し続けていたことで昭和60年に製造を中断。外部に製造を委託して「初紅葉」の販売は続けていました。

しかしながら、醸造できる免許があるのに醸していない状態に疑問を持ち、山口県内で消費される日本酒のうち約2割しか山口県産ではないことを知り、もしかしたら周南の中での周南のお酒の割合はもっと少ないのではないかと思うようになったことで醸造再開を決意し、平成17年に酒造りを再開したということです。

それが現在の原田康宏社長に至る創業家の名を冠した「原田」です。酒米には山口県産の「西都の雫」と「山田錦」のみを使用し、仕込みごとに異なる仕込み水を汲みに行くというこだわりです。もちろん全量純米酒で、さらに冷蔵設備完備の四季醸造を行っています。

写真は「特別純米酒 原田 西都の雫 無濾過生原酒」掛米に西都の雫79%、麹米に山田錦21%使用で60%精米。アルコール度数は18度と高めですが、きれいな辛口の味わいのため、それほど高くは感じません。後口はスッキリで、食事の邪魔をしませんね。

「原田」はすでにニューヨークなど海外販売も行っているということですが、山口県の蔵元は県内より東京、さらに海外に目を向けるところが多いのかもしれません。それが県内で山口県の日本酒を消費していない理由かもしれませんよ(笑)

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