「北雪」吉池食堂で出迎えてくれる佐渡の酒

今回は1872(明治5)年、新潟県佐渡市で創業の北雪酒造「北雪」です。佐渡島の酒蔵は「真野鶴」の尾畑酒造に続いて2蔵目の登場です。使用米は契約農家が棚田で作る無農薬の「越淡麗」や「五百万石」。遠心分離機を使った搾りなど、先進的な技術を導入しています。

今回「北雪」に至った経緯としては、東京国立博物館で開催されている「マルセル・デュシャン展」を見た帰りに御徒町駅前にある「吉池デパート」(今はこう言わないんですかね?)に寄ったことからです。現在はユニクロが入っているビルなので、そちらのほうが目につきますね。

そのビルの9階がビルの建て替え前からある「吉池食堂」です。エレベーターを降りるとすぐに北雪の大きな樽と升、そして上野おなじみのパンダが出迎えてくれます。日本酒のラインナップとしては、新潟と秋田が多く、上野駅が東北地方の窓口だった名残かもしれません。

ということで、ちょっと涼しげな天候にもなっているということもあり、吉池のウリである刺身の盛り合わせと「北雪 金星」のお燗を注文しました。お燗なので安いヤツを選びましたが、2合で1000円、まあリーズナブルですね。使用米はHPにも載っていないので不明ですが、「燗酒コンテスト2018」で、お値打ち燗酒「熱燗」部門の最高金賞受賞したとあります。

たしかに、辛口でクセもなく非常にいい食中酒です。ちょっと熱めの燗で香りが飛んでしまっていたので、ぬる燗で試してみたかったですね。ただ、そんなに香りが強いとは思えなかったので、おそらく冷やでも食事の邪魔をしない味わいだと思います。

調べてみるとこの「北雪」は、海外で展開している「NOBU」で供されている日本酒を独占的に造っているようですね。その名を冠した大吟醸「NOBU」は佐渡産越淡麗を40%精米です。味はもちろんのこと、米へのこだわりや遠心分離機を使った搾りなどの最先端な取り組みが松久シェフの琴線に触れたのかもしれませんね。

たまたま吉池に寄ったことで「北雪」に出合えましたが、調べると意外と深い銘柄でした。今度はお燗にしないで冷やで味わってみたいと思います。

 

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