九州は焼酎だけじゃなく日本酒もアツイんです

今回は九州の日本酒をご紹介します。

九州といえば焼酎だろう! という方が大多数だと思います。

まさにそのとおりで、圧倒的に焼酎の消費量が多く、とくに鹿児島県では「海童」で知られる濱田酒造が「薩州正宗」という日本酒を造っているだけです。また、宮崎県もほとんど生産していません。

ということで、熊本県、大分県が九州の南限といったところですが、県民の日本酒消費量をみると、佐賀県だけが突出して全国17位(2009年調べなのでデータが古いですが、この傾向は変わっていません)で、他の九州勢は鹿児島県が最下位、熊本県、宮崎県は44、45位と、下から10番目までに入っているという状況です。

熊本県はもともと米の生産量が九州一で、日本酒の蔵も多いのですが、米を原料にした「球磨焼酎」がメインで消費されてきたことから、このような状況になっているのかもしれません。

それでは九州の北からご紹介していきましょう。

まず福岡県。一番有名なのは「三井の寿」でしょう。何度か飲んだことがあるのですが、写真を撮り忘れてご紹介ができませんm(__)m

それならばと、大正11年創業、福岡県大川市の若波酒造「若波 純米吟醸 壽限無」。

山田錦と夢一献を交配した新品種の酒造好適米「壽限無」を使用した純米吟醸です。わずか5名で醸す売り出し中の蔵です。

つぎは九州一の消費量、全国区の銘柄を擁する佐賀県です。

佐賀県といえば言わずと知れた富久千代酒造「鍋島」です。蔵元兼杜氏は飯盛直喜氏(55歳)。大名の鍋島藩とは関係ないそうですが、450石の小さい蔵の存続を賭けて平成10年に「鍋島」の醸造を開始。2011年に「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」日本酒部門で最優秀賞を受賞してから、毎年いくつもの賞を受賞しているNEO名門蔵です。

旨みが強いのに後を引かないこの蔵の商品は店舗ではなかなか見つけることができませんが、見つけたら即買いです。

こちらは売り出し中の天吹酒造「甘吹 大吟醸 冬色」。12月仕込みのものなので、冬色というネーミング。

香り高い美味しさがいいですね。ラベルもステキです。

こちらは明治42年創業ながら東京では比較的ニューフェイスの、その名も古伊万里酒造。写真の「前(さき)」は2009年に製造を開始し、2013年全米日本酒歓評会吟醸酒の部で「古伊万里 前 純米吟醸」がグランプリを受賞。IWCでも毎年受賞している蔵です。

長崎県は平戸市の福田酒造「福田」。こちらもグングン伸びている酒蔵です。今年のIWC日本酒部門シルバー賞を受賞。

地元酒「福鶴」のほか、「かぴたん」「じゃがたらお春」など焼酎も醸造している蔵ですが、若い杜氏がさまざまなチャレンジをしているのがこの「福田」です。

熊本県、花の香酒造の「花の香」。蔵のある和泉町で山田錦を作付して、熊本酵母(9号酵母)を使用し、酒造りをしています。

こちらも香り高い一品です。

そして大分県の日本酒。大分県も日本酒は41位と振るいませんが、下町のナポレオン「いいちこ」、「二階堂」など麦焼酎の生産量は全国4位(2009年調べ)。ちなみに鹿児島、宮崎の焼酎生産量は日本酒と真逆で1,2位、熊本は5位です。

焼酎王国が立ち並ぶ真っただ中で奮闘する日本酒は中野酒造「ちえびじん」。

中野酒造の仕込水は「モンドセレクション」で、3年連続最高金賞を受賞している銘水。九州の日本酒というとクセの強そうなイメージもありますが、6代目の若社長がプロデュースするこの酒は、スッキリとのど越しもよく、食中酒にもピッタリです。

写真は「ちえびじん 純米ひとめぼれ」。

ラベルもキレイで、味わいがそのまま表現されているようです。他にも、八反錦を使った銘柄もあります。

いかがでしたでしょうか。意外と九州っていい日本酒があるんだねと感じていただければ幸いです。

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