「辻善兵衛 純米大吟醸 愛山」稀少米を使った栃木県の酒
今回は、栃木県真岡市で1754(宝暦4)年創業の辻善兵衛商店です。代々、杜氏が辻善兵衛を名乗っていて、現在は16代目の辻寛之氏。鬼怒川の伏流水を使用して地元酒の「桜川」、純米以上の「辻善兵衛」、自身の名を冠した「辻寛之」という銘柄を醸していますが、現在は、杜氏に代わって地元の若い醸造家が醸しているということです。
基本的には地元の契約農家が作っている五百万石を使用しているようですが、「辻善兵衛」などでは雄町、山田錦、愛山などを使用しています。
そのうちのひとつ「辻善兵衛 純米大吟醸 愛山」です。東条町特A地区の愛山を100%使用で50%精米。酒造りに最も適した1月に仕込んでいるということで、愛山の硬さはあまり感じません。ほんのり甘く、香りも控えめな感じですが、パンチがある旨味です。辻善兵衛は栃木の酒の中でもキレのいい軽めの旨口な感じですが、こちらは力強いです。
愛山は高木酒造との縁で使用することができるので、どの蔵も力が入っています。何度も言いますが、限られた地域でしか作られていない愛山に特A地区があるのか不明ですが、年によって出来が違うようなので、30BYは意外と溶けやすかったのかもしれません。もう少し粉っぽくて硬いイメージがあるので、今年は愛山の当たり年かもしれませんよ。ある意味、蔵の実力がわかるので、辻善兵衛はもちろん、他の銘柄もぜひお試しください。