「楽器正宗 霞」皇族ゆかりの命名だった福島県の酒

楽器正宗霞1

今回は、福島県西白河郡の大木代吉本店「楽器正宗 霞」です。今回も醸造アルコール添加の本醸造です。無濾過無加水でアルコール度数16度ですので、確かな醸造技術で醸されていますね。そして、これまでもうっすら濁っていましたが、名前が「霞」だけに、より濁っていて「うすにごり」ということになっています。

味わいはいつもどおりフルーティな香りで爽やかな軽いガス感、にごりのおかげで渋みもほんのりなスッキリ甘味。後味も醸造アルコールのおかげか、これまたスッキリです。米は国産米とありますが、福島県産夢の香のようで麹米60%、掛米70%精米です。いつまでも呑み続けられる美味しさです。

おまけに一升2376円(税込)ですから、懐にもやさしい銘柄です。

アップの写真だと、ラベル本来の色が出ないため、全体も掲載しておきます。全体のほうが実物に近いです。

「楽器正宗」の由来

さて、これまで「楽器正宗」の由来については「不明」ということでご紹介してきましたが、ようやく、大木代吉本店HPに「楽器正宗」の名前の由来がアップされましたので、引用させていただきます。

「明治期より矢吹が原周辺は、御料地が多く点在し渡り鳥が飛来する御猟場として皇族や軍人が頻繁に訪れていました。『楽器正宗』の名前は、大正年間二代目代吉の時、朝香宮様が当地を来訪した際、大木代吉本店の酒を所望され大変気に入り、その時随行していた宮内庁の雅楽師で君が代の作曲者とされる奥好義(おく よしいさ)が「酒造りも楽器を奏でることも、元は同じく神様への捧げ物」と言われたことに由来しています。」

ということで、神様への捧げもの繋がりだったわけですね。朝香宮が呑まれたお酒が「楽器正宗」の基になっているのかはわかりませんが、大木代吉本店の味を好まれるとは、日本酒センスがいい方だったのではないでしょうか。

それにしてもずいぶん遠くまで猟に出かけていたものです。新幹線でも東京駅から新白河駅まで最速で1時間10分かかります。ご苦労をしのびながら「楽器正宗」を味わいたいと思います。

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