「幻舞 純米吟醸 金紋錦」幻の米を使いこなす女性杜氏の酒

今回は、長野県長野市川中島町の酒千蔵野、「幻舞 純米吟醸 金紋錦」です。

酒米「金紋錦」は「たかね錦」と「山田錦」の交配種で昭和31年に長野県の酒米として開発され、長野県内の酒蔵で使用されていましたが、栽培が難しいためだんだんと作られなくなっていきました。また溶けにくいため、酒造りも難しかったそうです。酒造りの難しさは、当ブログでも紹介した長野県の酒蔵「十九」の尾澤酒造場が1年で使用をやめたことでもわかりますね。

その後、石川県の福光屋が、全国で唯一「金紋錦」を栽培している木島平市と契約して全量を購入して酒造りに使っていました。それから平成16年から「水尾」「亀の海」「北光正宗」「縁喜」「大信州」「夜明け前」など長野県の酒蔵で使われるようになりました。

枕が長くなりましたが、こちらはどんどん使用米を長野県産化している酒千蔵野です。2017年9月に初の「純米吟醸 金紋錦」を出荷しましたが、今回は「しぼりたて」です。55%精米は同じですので、仕込と味に自信があるのですね。

いただくと、幻舞らしいキレイな甘味とほのかな香り。少し硬めですが、これが金紋錦なのでしょうか。後口はサッパリでやさしい余韻が残ります。

酒千蔵野の周囲は果実畑や田んぼが広がっていますので、これからも新しい酒米にチャレンジしていただきたいです。長野県は美山錦の故郷でもありますし、まだまだ幻の酒米がありそうですしね。

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