「川中島幻舞」 女性杜氏が造り出す繊細な味 

今回は信州旅行の午後のミッションです。

ミッションその1「小布施ワイナリー」を後にした私は、ふたたび長野駅に戻り、今度は「しなの鉄道」に乗りました。しなの鉄道は第三セクターの鉄道会社で、篠ノ井駅から軽井沢駅間を走っています。長野駅から篠ノ井駅まではJRの信越本線なのですが、便宜上、長野駅ー軽井沢駅間をしなの鉄道が運行しているようです。

電車は元JRです。長野駅から3つ目のJR今井駅で下車します。ここは長野オリンピックのときに選手村があったところだそうで、開催に合わせて開業した比較的新しい駅です。まさに川中島古戦場に近く、車だと10分ほどで着きます。

そんな今井駅を降りると、駅前にはなにもありません。畑が広がり、地図を片手に少しあるくとありました。目的地の「酒千蔵野」です。私がこよなく愛する「川中島幻舞」を醸す蔵です。

1540年(天文9年)に開業した、長野県では最古、全国でも7番目に古い蔵で、武田信玄に酒を献上した記録があるそうです。創業477年ですから、すごい企業ですね。

もともと千野酒造場という名前で営業していましたが、代替わりをしたところで名前を「酒千蔵野」に変更したそうです。「千野酒造」という名前の造を蔵に変えて順番を入れ替えただけというのが面白いです。

杜氏は女性の千野麻里子さん。蔵元の一人娘として東京農大に進み、国の研究所で研修した後、先代杜氏の急病で急きょ杜氏に就任しました。もともと桂正宗という銘柄を地元中心に販売していましたが、チャレンジャーとしての資質があったのでしょう。新しい銘柄に挑戦し、「川中島幻舞」という香り高く、味わい深いのに飲み口はスッキリしている素晴らしいお酒を完成させました。

歴史のある樽。左上にちょっと見えるのが杜氏の千野麻里子さん。

長野県の米、美山錦はもちろん、山田錦、雄町などを長野県の酵母を中心に醸したお酒は数々の賞を受賞しています。現在も挑戦は続いており、私も新たな味わいを期待しています。

数々の賞を受賞した日本酒

酒蔵見学をさせていただき、家付き酵母の働き、米の溶け方は毎年違う、など興味深いことをいろいろうかがうことができ、さらに幻舞愛が増しました。

麻里子杜氏も醸造アルコールを添加したいわゆる「アル添」がお好きだとのことですが、私も「アル添」好きです。見学の後、試飲させていただいた特別本醸造はまさに一気飲みできるくらい私の好みにドンピシャでした。生産量が少なく、このラベルはなかなか見ることができません。

川中島幻舞 特別本醸造

そして今、力を入れているという長野県産酒造好適米「金紋錦」を使った一本。

金紋錦は、長野県の酒造好適米「美山錦」と「たかね錦」を交配させて作った酒米で、長野県の木島平でしか栽培していない”幻の米”と呼ばれているものです。麻里子杜氏はこれから長野県産の米を中心に日本酒を醸していくということですので、味もどんどん洗練されていくと思います。

なので、今のうちに幻舞の愛山も紹介しておきます。近い将来、飲めなくなってしまうかもしれません。

さらに、こちらは幻舞の名は冠していませんが、川中島 純米吟醸スパークリング Fuwarinです。それと酒千蔵野で一番生産量が多いという、純米にごり酒。

幻舞にしてもスパークリングにしても生産量が多くないので、なかなか飲める機会がありません。

1日でこんなに贅沢な蔵を巡ることができました。よい旅をありがとうございました。

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