「小布施ワイナリー」「酒千蔵野」訪問記

今回は初の紀行文を寄せたいと思います。新幹線に乗れば1時間半で着いてしまう長野です。長野ではミッションを2つ遂行しました。

朝7時30分上野発の「あさま603号」に乗ると、長野駅には9時14分着です。北陸新幹線が開通して以来、長野新幹線という名称は使わなくなっていることを初めて知りました。「あさま」は長野駅までしか行きませんので、長野新幹線のほうがわかりやすいと思うのは私だけでしょうか。

さて、長野駅に到着です。

ミッションその1「小布施ワイナリー」

ワインをぶどうから自家生産している蔵で、ワインを作れない時期に、私の大好きな日本酒「ソガ・ペール・エ・フィス サケ エロティック」を造っている蔵です。

長野駅から小布施に行くには、私鉄の長野電鉄に乗ります。長野電鉄長野駅は地下ホームになっていて、電車は東急線で使用されていた8500系。そのほかに特急ゆけむり号として昔の赤い小田急ロマンスカーが走っていたりします。

長野電鉄の終点は湯田中駅で、そこからバスに乗ると猿が湯に浸かっている地獄谷温泉に行くことができますが、私は猿に興味はないので、ちょうど半分くらいのところにある小布施駅で下車します。

長野駅からは善光寺下、須坂などの駅を通り、30分ほどで小布施駅着。平日だったので閑散としていましたが、熱心に写真を撮る撮り鉄も何人かいました。

小布施は北斎の街

駅にはかつて使用されていた長野電鉄オリジナル車両2000系が展示されています。「ながでん電車のひろば」と名付けられており、すぐそばまで行けます。ホームから見える北信五岳(飯綱山、戸隠山、黒姫山、斑尾山、妙高山)はこんな感じ。名産の栗を使用したお菓子の看板も。

というわけで、小さな町と言っても歩くのは大変なので、レンタサイクルを借りて時間の許す限り観光です。ここは葛飾北斎が晩年に作品を残したことで有名なところで、それを記念した北斎館というのがあります。また、ちょっと奥にある岩松院という寺には北斎晩年の代表作、八方睨みの「大鳳凰図」があります。

この岩松院には、小林一茶の有名な句「やせ蛙 まけるな一茶 これにあり」の元になった池があったり、悲運の将、福島正則の霊廟もあったりして盛り沢山なお寺です。

ちなみに福島正則は、関ヶ原の戦いで東軍について安芸・備後約50万石を得たのですが、その後改易され、信濃国川中島四郡中の高井郡と越後国魚沼郡の4万5,000石(高井野藩)に厳封されてしまい、この小布施の地に祀られているというわけです。

レンタサイクルで小布施ワイナリーに到着!

そこから一路、小布施ワイナリーに向かいます。岩松院からは小布施市の端から端という感じで、畑の中を20分ほど走るとありました。東京ではなかなか買うことのできない小布施ワイナリーが。

小布施ワイナリー入口。畑の中を抜けて住宅が立ち並ぶ中にしゃれた建物があります。

小布施ワイナリーは「ドメイヌ・ソガ」とも言い(こっちが本名かも)、醸造所の隣にショップがあります。

ワイン蔵をリノベーションしたショップにそろそろと入っていくと、ひんやりとした薄暗い空間で、きちんとした品質管理がされていることを実感しました。数多くのワインが陳列されており、いくつかの種類は有料で試飲ができます。日本種だけでない自社農場産のぶどうを100%使用した、質の高いワインです。ネットで調べると異常な高値で取引されており、それだけ人気なのですが、高い志を持った生産者の気持ちを逆なでするようなことはやめてもらいたいですね。

私はもちろん数種類の試飲を経て、2本購入しました。

写真左・オーディネール2013 メルロ カベルネソーヴィニヨン

写真右・スパークリングワイン[R]

この2本を選んだのは、値段が手ごろだった(笑)ことと、試飲したカベルネが少し酸味が強かったのでメルロとブレンドされているほうがより良いのではないかと思ったことと、スパークリングは試飲できませんでしたが、購入する機会がほとんどないのではないかと思ったからです。

購入して満足した私は、午後のミッションに向かいましたが、これは次の原稿でお伝えします。

当日のミッションを終了して家に戻った私は早速、カベルネメルロを開けました。日本で作られているとは思えないカベルネとメルロの味わいです。小布施という土地がその味を作り出すのか、小布施ワイナリーの心意気がその味を作り出すのか。おそらく両方のマリアージュによる日本でも最高級な味に大満足して眠りについたのでした(『「川中島幻舞」女性杜氏が造り出す繊細な味』につづく)。

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