「七本槍」賤ケ岳の戦いに名前の由来を持つ酒

前回に引き続きまして滋賀県は北近江の酒蔵、冨田酒造の「七本槍」です。

冨田酒造は琵琶湖の北にある賤ケ岳のふもとにある旧北国街道沿いにあり、創業から500年近い歴史をもつ酒蔵です。仕込み水は奥伊吹山系の伏流水を使っていて、とても香り高い日本酒を醸しています。

「七本槍」と言えば、「賤ケ岳の戦い」で活躍した福島正則、加藤清正、加藤嘉明、脇坂安治、平野長泰、糟屋武則、片桐且元と豊臣秀吉が子供のころから可愛がった武将です。豊臣家の全国統一に大変貢献しましたが、関ケ原の戦いでは石田三成に反発して徳川方について活躍し、なのにそのうちの何人かは徳川家康に改易されたりと、最終的には非情な生涯をおくるわけです。長野県の小布施紀行でも触れましたが、小布施にある岩松院という寺に福島正則の墓があるのです。福島正則といえば、寧々の姉妹の息子でそれは幼少のころから秀吉に可愛がられて、さまざまな戦いで武功まで上げていたのですから、それはそれで驚きまして、歴史を紐解いたら、そういうことになっていたのでした。

結果的にはそういうことですが、「七本槍」と言われた時代の話なので、豊臣好きな日本人にはとても知名度がある名前なわけです。

その名前を冠した「七本槍」ですが、かの北大路魯山人が冨田酒造に逗留したらしく、その名称を書にしたため、それをラベルに使っています。この写真のラベルがそれで、「七本槍 純米 山田錦火入れ」ですが、滋賀県産山田錦を100%使用しています。

こちらは季節限定「七本槍 純米 しぼりたて生原酒」滋賀県産玉栄を100%使用しています。

さらにこちらは「七本槍 純米吟醸 搾りたて生原酒 吟吹雪」で、滋賀県産吟吹雪を100%使用しています。

やはり滋賀県産の酒米を中心に醸す冨田酒造です。山田錦も地元産のものですし、「滋賀渡船6号」を77%精米した「七本槍」も醸しています。こちらは見たことがありませんが、77%精米ということは23%しか削っていないので、削りカスといっては語弊がありますが、酒粕が少ないということになり、環境にとてもやさしい日本酒と言うことができます。

もともと日本酒は三重県を発祥とし(所説ありますが)、王朝や幕府などとともに灘、伏見と繁栄してきました。長らく都があった京都に近い滋賀県、それも近江地方は京都に日本酒を納めていたことが考えられますので、冨田酒造のように500年もの歴史ある蔵が存在するのだと思います。先にご紹介した「萩乃露」も270年ですし、幻の酒米とされる「渡船6号」などもあったりして、調べていくともっと面白いことがでてくるかもしれませんね。その調査報告はまた後日。